私を変えてくれたのは5人の先生。RESTART13 (ページ33)

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＃６５８ページ33

Aside

壊れた頭を壁に打ち付けてなんとか動かしてみた。

和「自傷して少しスッキリした？」

A「…ん」

その自傷の道具を取り上げたのは先生たちなのに…

今日の自傷行為はいつもとはちょっと違う。

それは希死念慮が1％もないってこと。

つまり、死ぬ気は全く無かった。今は死にたい気持ちはほぼ無い。

それを先生たちは分かってないから、だから無理矢理に取り上げたんだ…

翔「帰る場所も待ってる人もいるって分かって、それでもAは生きてる意味分からない？」

A「……」

何も答えられなかった。

…まだ頭が冴えてないからかな？じゃあもっと打ち付けなきゃ……

先生たちに包囲されてるから殴ろうとして拳を上げた。

潤「A…」

力強いその手がそれを許してくれなかった。

潤「…ね？」

優しく笑ったその顔が快晴ではないことに気付いて腕を元の位置に戻した。

A「…死のうとしたわけじゃないもん。」

翔「ん、そうだね。ただ切っただけだもんね…」

先生は驚きもせずに、落ち着いた声で私の言葉に頷くだけ。

和「みーんな知ってるよ。Aが死のうとしたんじゃないってこと。」

分かってたんだ…

私の方が分かってなかったじゃん…