私を変えてくれたのは5人の先生。RESTART13 (ページ13)

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＃６３８ページ13

雅紀side

いつもの何倍も何倍も綺麗に整えられた病室で3人の帰りを待つ。

夕方の5時がタイムリミット。それを過ぎたら警察に相談する。

外からは雨音が絶え間なく聞こえてくる。

由人さんのところにも来ていないみたいだし…

何より、あの置き手紙…

Aの拙い字で書かれたその文字に翔ちゃんは膝から崩れ落ちたんだ。

智「相葉ちゃん、どう？」

雅「まだ…」

時計と睨めっこしてるけど…余計に苦しくなってしまう。

智「大丈夫。まだ時間はある。…絶対見つかるから。」

医者の世界に『絶対』はない。

でも自然と大ちゃんの『絶対』は本当のような気がした。

絶対、見つかるよね。

俺ら5人だけじゃない。ここにいる職員、スタッフ全員がAの無事を祈っている。

智「なんで…いつも守ってやれないんだろう…」

雅「……」

智「…後悔したって遅いよな。今はAの無事だけを願っていればいいんだから。」

自嘲気味に呟いて医局に戻っていった。

みんな、思ってることは同じなんだ…

守りたい、という思いと守ってあげられなかった、という後悔。

無力でちっぽけな人間でもその思いだけは強く、その思いが俺らを繋いでいた。