32 ページ32
それから数週間後―――
様々な検査を終えて今日、無事に退院することになった
忘れ物がないか荷物を確認していると
ドアがノックされてりょうくんが現れる
「やっほ。退院おめでとう」
「…忙しいのにわざわざ来てくれてありがとう」
「Aの退院祝いなんだし来ないわけないでしょ。まぁ、みんなは用事あって来れないから悔しがってたけどね」
「でも…りょうくん、本当は用事あったのに
その予定ずらして来てくれたんでしょ?
てつやから聞いたよ」
「は?うわ…てつやぁぁ」
「ごめん!私が無理言って聞き出しただけだから。てつやは何も悪くないよ」
「ん、そっか。でもホント気にしなくていいから。それと…これ皆からのプレゼントとてつやから
Aに渡してって言われたもの」
そう言って渡されたのは色とりどりの花束と
ひとつの紙袋だった
…てつやから何のプレゼントだろう?
不思議に思い、渡された紙袋の中を見ると
そこには無くしたと思っていた私の腕時計があった。
「これ…」
「忘れものだって。虫さんの家にあったみたい」
「これずっと探してたからもう見つからないかと
思ってた。ありがとう」
腕につけると、無事自分の元に返ってきた事が嬉しくて少し泣きそうになる
「懐かしいよね、それ。Aに似合うものってなんだろうって皆で話し合いながら買ったの思い出す」
「そうなんだ…無事に戻ってきて良かった」
「それと後もうひとつ、」
私がその言葉に反応する前に手首を勢いよく
引っ張られる
唇に生あたたかく柔らかい何か、が触れた
目の前にはニヤリと笑うりょうくん
…え?
私今、何された?
この状況を理解するにはかなりの時間がかかった
「ちょっ…え?待って、どういうこと?」
自分でも分かるほど顔が熱くなり、鼓動が速くなる
動揺が隠しきれなくて頭が混乱する
「好きってこと、伝えてなかったなと思って」
…すき?
「それって…誰が誰を?」
「俺が、Aを」
「好きってどういう意味の?」
「恋愛の意味で」
「私のことが好き?りょうくんが?」
「うん」
その瞬間、私は気づけば病室を飛び出していた
119人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
蛍(プロフ) - アリスさん» ありがとうございます😭 これから少しづつ更新できるように頑張ります! (2023年3月10日 20時) (レス) id: e89e3b6ebf (このIDを非表示/違反報告)
アリス(プロフ) - 私なんなら、長編作結構好きなのでありがたいです笑これからも無理せず更新していってください! (2023年3月10日 11時) (レス) @page28 id: 9417752f32 (このIDを非表示/違反報告)
蛍(プロフ) - 理々杏さん» 嬉しいお言葉ありがとうございます! 少しづつですが、完結できるように執筆を続けたいと思ってます (2023年3月9日 10時) (レス) id: e89e3b6ebf (このIDを非表示/違反報告)
理々杏(プロフ) - はじめまして!いつも楽しみに読ませてもらってます〇無理に続けて欲しいとは言えませんが良ければこれからも蛍さんの紡ぐ物語が見れたら嬉しいです〇ずっと応援してます。長くなっても遅くなっても待ってます〇 (2023年3月9日 3時) (レス) @page28 id: 90f7b4cec9 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:蛍 x他1人 | 作成日時:2022年10月3日 16時