無色透明

27 youside ページ27

光が眩しい



どれくらい眠っていたんだろう、頭が少し痛む





…ここはどこなの？




辺りを見回すと、どうやら病院のようだった




そうだ。
私、虫さんの家で倒れたんだっけ
それで病院に運ばれたのかな…






その時ふと視界の端に写った人物



え、
としみつ？
何でここに…





彼は私の隣ですやすやと眠っていた





久しぶりにこんなに間近で見て緊張する





わ…
やっぱり綺麗な顔立ちしてるなぁ


寝顔をまじまじと見ていると眉がピクリと動いて
慌てて離れる






だけど突然手首を掴まれて身動きが取れなくなる


としみつは未だに眠ってるし多分寝ぼけてると思うけど、この状態だと何もできないなぁ







…でも、いいや
もう少し一緒に居よう





それからどれくらい経ったんだろう
気がつけば私も眠っていて、目を覚ましたら
そこには私の点滴を変えている最中の看護師さんがいた。



それとなく声をかけてみると目を見開いて驚き、
慌てて病室から出ていく





その騒ぎでとしみつも起きたのか、目を擦りながら
ぼーっとした様子で私を見ている





「…や、やっほー。おはよう」




ぎこちない笑顔をうかべる私に驚いて
勢いよく椅子から立ち上がる





「お前、意識…」




「え？あぁ…うん。何か戻ったみたい」





へらっと笑うと急に抱きつかれて今度は私が驚く





…ちょっと待って、これどういう状況！？





あまりの予想外な展開に混乱する



















「おかえり。ずっと待ってた」







耳元で囁かれた声







優しくて穏やかなその声は昔、どこかで聞いたことのあるような暖かい声だった

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