無色透明

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「この前、病院に行ったらたまたまAの両親と会って
聞いた話なんだけど…Aの意識が戻ったとしても
短くて半年、長くて一年の命だって言ってた」





まるで天気の話でもするかのように話すから
一瞬聞き間違いかと思った




だけど、もう一度聞く勇気もなくて何も言えない





虫さんの言葉が頭の中で響く


次第に頭も痛くなってきてまるで聞くことを
拒否してるみたいだった






それでもこれは最後まで聞かないといけない気がして
耳を傾ける




「てつやからAの体は長く持たないって
聞いてたから覚悟はしてたけど、いざ余命宣告なんて聞いたらさすがに辛いね」




声が震えていて、今にも泣きそうなのに
必死に我慢してる様子で天井を見上げていた




「みんなにはこれ以上暗い話したくないから
言ってないけどしばゆーはAと一番長く
一緒に居たし、それに昔付き合ってたんでしょ」
















「は…？」


思わず漏れた声



次第にその言葉を理解した俺は声を上げて
頭を抱える








「あぁぁぁぁぁ！！アイツ！何であのこと…」




「ちょっ、バカ！声大きいわ！」





思いきり頭を叩かれて慌てて声のトーンを落とす






「高三の時だっけ？付き合ってたの」




「…そう。すぐフラれたけど」





「え、なんで別れたの？」





「Aに他に好きなやつができたから」





「あ〜、なるほど。としみつか」





「…んな事まで知ってんのかよ」





「普通にA見てれば分かるやん
でも…そっか。しばゆーフラれたんだね」





「そんな憐れむような目で見らんくても良くない？もう何十年も前の話なんだし」





「いや…でも分かるよ。しばゆーがAのこと好きになる理由」





独り言のようにぽつりと言う


その表情はどこか寂しそうに見えた






もちろん今はAへの恋心はなくなったけど
友達や親友、という言葉では表せないほど
特別な存在だということは今も昔もこれから先も
ずっと変わらないと思う



















例えAがこの世界からいなくなったとしても

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