無色透明

24 しばゆーside ページ24

Aとは小学校から高校までずっと一緒で
仲が良かったかと聞かれると、実はそうでもない


まともに話すようになったのは高校に入ってからで、それまではただの知り合いという感覚だった




最初は大人しくて無口だし、正直つかみどころがなくて苦手だった







そんなAと仲良くなったのは高二の頃

隣の席になったことをきっかけに仲良くなって
何で今まで話さなかったのかと思うくらい不思議と波長が合った。





そんなAの秘密を知ってしまったのは
その半年後のこと



授業中に突然Aが倒れて騒ぎになったことがある


Aはただの貧血だと言っていたけど
その日の放課後に職員室の前を通ると、先生たちがAの病気について話しているのをたまたま聞いてしまった。




本人に直接聞いたりすることはしなかったけど
俺たちに隠れて病院に通院していたことも
いつもサプリと嘘ついて大量の薬を飲んでいたことも知っていた




誰よりも早く病気のことを知っていたはずなのに
何も言えなかったし、気づかないふりをしていた








その結果


Aは理由を告げずに俺たちから離れていった







それを後から知った俺は、多分人生の中でこれほど
後悔した日はなかったと思う。











「ねぇ、しばゆー聞いてる？」




突然虫さんに話を振られて我に返る






…そういえば今二人でまんぷく屋来てるんだった





「え？ごめん、もう一回言って」



「はぁ？Aのこと。話聞いた時どう思ったのって言ったんだけど」





「どうって…」



















「知ってたんでしょ。最初から」

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