無色透明

19 ゆめまるside ページ19

ヤバっ…
寝坊して集合時間よりかなり遅れてしまった


今日撮影って聞いたけどてつや来ないから動画撮れないし、集まる必要ないやん



そう思いながら渋々ドアを開けて中に入ると
そこに見覚えのある靴があった









これ…




慌てて撮影部屋に行く




そこには平然と椅子に座りながらスマホをいじっているてつやがいた


気がつけば俺は声をかけるよりも先にてつやの肩を強く掴んでいた




居る




目の前に




夢じゃない…











「お前さぁ…今まで何してたんだよ」




怒るつもりだったのに久しぶりに会えて
安堵したのか、不覚にも泣きそうになる






としみつもしばゆーも虫さんもみんな深刻そうな
面持ちをしているなか、てつやだけがいつも通りに見える









「じゃあ全員集まったことだし話始めようか」






虫さんの言葉にてつやは深く息を吸うと
ゆっくりと口を開いた












「ごめん！！」






スタジオ全体に響き渡るほどの大声量に思わず耳を塞ぐ







「実はこの前から具合悪くて風邪引いてた。
かなりきつかったから状態が落ち着くまで連絡も
できなくてさ〜…」







こいつ…












嘘つくの下手すぎん？




思いっきり目逸らしながら喋るし、声上ずってるし嘘つくならもう少しマシなこと喋ればいいのに



呆れているとりょうくんが眉を寄せて珍しく怒った様子で言う

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