無色透明

18 りょうside ページ18

自室のベットからぼんやりと天井を見上げる


てつやが撮影に来なくなってから早二週間が経っていた。



メールや電話をしても連絡は来ないし
家に行っても留守なのか会えることはなかった



…それに、なぜかAも連絡が取れない






この前虫さんの家に行った時、取り乱した様子で
Aの名前を呼んでいたことも


突然現れたてつやも


あれからずっと上の空の虫さんのことも



何もかも気になっていた。


二人の間に何かあったことは明白で、それはきっとAも関係している






だけど一体何が？



…いくら考えても分からない






俺は起き上がってからスマホを手に取ると
虫さんに電話をかける












…出ないなぁ

すると、コール音が切れそうになる寸前で繋がった





『…誰？』



電話の向こうから眠たそうな声が聞こえる



「俺。りょうだけど」



『りょうくん？どうしたの？』



「ちょっと気になることあってさ…
虫さん寝てた？」



『いや、大丈夫。それより気になることって？』



「…勘違いだったら悪いんだけど何か俺に隠してることない？」




少し間が空いて返事が返ってくる



『…僕からは何も言えないけど、明日になれば分かるよ』




「明日？」




『うん。明日てつやが撮影来るって言ってたから』



「え」



『じゃあそういう事だから』





そのまま話は終わって電話が切れる





詳しいことは聞けなかったけど久しぶりに
全員集合できることが嬉しかった

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