無色透明

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「う…重い」



両手には大量のスポーツドリンクや冷えピタ、
風邪薬などが入ってある。



とりあえず風邪に効きそうなものは全部買ってきた。






だけどこれ、筋トレになるんじゃないかと思うほど
重たいんだけど…



さっき目眩を起こしたのもきっと薬の副作用だと思って大して気にしていなかった


…だいたい、てつやは大袈裟なんだよなぁ




散歩という理由をつけて外に出たけど
あれから時間も経ってるし、さすがにバレてるかな。


スマホは電源をオフにしているので
連絡が来ているかどうかも分からない



まぁいいや、後でちゃんと謝ろう…




そうしてしばらく歩いて見えてきた虫さんの家。


家はりょうくんに聞いたら教えてくれたので
すぐに分かった






呼吸を落ち着かせてチャイムを鳴らす







すると、思ったより早くドアが開いた




「え…」



そこには驚いた表情で私を見る虫さんがいる





「てつやから事情聞いて…来ちゃった」



片手を振ってニコッとぎこちない笑顔を作った



…どうしよう
上手く笑えない


虫さんは私の言葉に返答することなく、そのまま
何もなかったかのように静かにドアを閉める




…あれ
私、無視された？



めげずにもう一度チャイムを鳴らす



だけど何度押しても出てくる気配は全くない

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