・ ページ22
Masaya side
正「Aは、結婚願望とかないん？」
正門くんナイス。小島くんは「興味ない」みたいな顔してるけど、耳ダンボにしか見えへん。
「うーん、あるっちゃある」
正「ちょっと意外かも」
小「おまえにもそんな感情あったんやな」
「わたしバケモノかなんかなん？」
佐「あるっちゃある、って『まだいいや』みたいなことなん？」
「そそそ。まだ20代前半やし、お仕事ももっとやっていきたいやん？それに同年代の男の子とかはまだ結婚願望ないやろうし、そう考えたらまだまだ先ちゃう？」
この間のYouTubeの撮影のときもそうやったけど、Aちゃんって恋愛の話になるとめちゃくちゃ現実的よな。
正「ほな年上と結婚したらええやん」
「なんなん、正門くんはわたしにはよ結婚してほしいんすか？」
正「まあ、そうかも」
「ええ〜旦那さんはよ死ぬやん」
正「べつに30歳上と結婚しろ言うてへんやん」
正門くんはきっと、「俺と」って意味で言うてるんやろうな。でもハッキリそう言わへんのは、小島くんがプロポーズしたときの繰り返しみたいになっちゃうからか。
佐「年下は、あかんのですか？」
俺だって、結婚できる年齢になった。身長だってAちゃんより30cmくらい高くて、筋肉もついてきた。お仕事も増えだして、大学だってあとちょっとで卒業する。
もうじゅうぶん、君と一緒にいられると思うんやけど、どうかなあ。
「年下は考えたこともなかったし好きになったこともないけど、晶哉くんみたいな子なら全然ええよね」
おもろいし賢いし、一緒になったら毎日楽しそうや。
Aちゃんはそう言って、さっきの記事を見返した。「ジャニーズやなかったら、記事にアー写使ってもらえたのになあ」とか言うて、なんでそんな呑気なん。
自分としてはなかなかの緊張感の中で聞いたことやったけど、Aちゃんからしたらただの世間話ってことか。
リチャくんが言ってたっけ。「正攻法やないとあいつは何も気づかんで」って。
佐「じゃあ俺、いつかプロポーズするから聞いてくれますか？」
Aちゃんは一瞬だけ目を見開いたけど、そのあとすぐに歯を見せて笑った。
「ええよ。物好きやな、晶哉くんは」
(永遠も絶対も、俺となら「ある」って思わせたるから)
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 1149人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を含むプレイリスト 
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：リリー | 作成日時：2021年6月4日 19時
