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Seiya side
俺がポロロン、とギターを鳴らせば、「ハッ」と我に返った大学生たち。
福「さすがにそれはないんちゃう？」
佐「ファーストキスって女の子からしたら大事なもんって言いますし、あんなヘラヘラせえへんでしょ」
小「そんな恥じらいみたいなん、あいつにあると思うか？」
佐「そう言われたら、ちょっと自信ないな」
福「逆にチューし慣れてるから、男友達にされてもヘラヘラしてた可能性もあるよな」
小「そんな大晴みたいなことある？」
福「ちょっともうなんも言えへん」
佐「でもAちゃん酒豪やし、キス魔とかになるタイプならその説もありえますよね」
小「あいつと飲んでもチューされたことないけどなあ」
佐「それは小島くんやしやろ」
福「あいつは酒強いから、そもそもキス魔とかならんって」
ちょいちょいケンカしそうになりながら、あらゆる可能性を考える3人。なんかかわええな。大学生ってかんじや。
こいつらからしたら、これは“高みの見物”ってやつになるんやろうか。
末「水買いに行ってくるわ」
そう言って部屋を出ると、やたらと靴音を立てながらこっちに歩いてくるちっさいやつを見つけた。
主役の登場やん。
「おはようございます〜って2回目か！誠也くん、どこ行くんですか？」
末「おつかれ。水買いに行くとこ」
「ありがとう！わたしトマトジュースがいいです！」
末「俺の話聞いてた？まあいいや。Aは今は部屋入らんほうがええと思うし、一緒に来る？」
「えっ。誰かケンカしてるんですか？」
末「ケンカしそうにはなっとったけど、ほらあれやん、ボーイズトークというか」
「あーね。ほな一緒に行きます！」
並んで歩き出すのと同時に、Aが持ってる紙袋を持ってやる。なんや、めっちゃ軽いやん。
「え、荷物持ってくれるんですか？」
末「まあ、たまにはな」
「えー！気持ちわる！」
末「ほな自分で持てや！」
うそうそ、ありがとうございます。
そう言って笑うから、つい頭を撫でたくなったし、手を繋ぎたくなったし、もっともっと女の子として扱いたくなった。
でも俺はあからさまにはそういうことしいひんって、あのとき決めたんや。
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作者名：リリー | 作成日時：2021年6月4日 19時
