あなたに夢中。Ⅰ (ページ18)

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ファーストキスの行方（S.S）ページ18

Seiya side

今日は朝から6人で雑誌の撮影があって、次は夕方からレッスン。

リチャと正門とAは個人仕事で出てしまって、残った俺ら4人はダラダラと空き時間を過ごしてる。

俺はギターの練習、年下組は大学のレポートやらをしながらお菓子を食べたりして、まるで女子会みたいな雰囲気や。

そんななか、突如始まる恋愛の話。まあ、話の中心人物は不在やねんけどな。

福「あいつ、彼氏とかいたことあんのかな」

佐「小島くん、知らないんすか？」

小「聞いたことないんよなあ」

福「気にならへんかったん？」

小「当然おらんと思っててん」

佐「くっそ失礼すね」

小「いやほら、俺ら一応ジャニーズやし？」

福「急な優等生うざいな」

佐「でもAちゃんやって22歳の女の子なわけやし、好きな人くらいはいたことあるでしょ」

小「んー…俺かなあ？」

福「誠也くんはなんも知らんのですか？」

わかるで。Aがライブで『Maybe』を歌ったあの日から、なんかあったんちゃうかって思って不安になる気持ち。

あれは完全に、恋愛したことある人間の歌い方やった。

末「なんも知らんな」

佐「ていうか、大晴くんやと思ってた。なんかあるとしたら」

福「なんでやねん！」

小「そうやぞ、あるとしたら俺やろ」

佐「小島くんはもう完全に友達でしょ。大晴くんは名前呼びの件といい、恋人にしたいメンバーといい、ちょっと怪しいんすよ」

福「なんもないって。まあでも晶哉の言うとおりかも。Aもふつうの女の子やし、彼氏の1人や2人くらいはいたことあるやろな」

小「そういえば、この間酔った勢いで男友達にチューされた言うとったやん」

佐「あの正門くんが壁ドンして、Aちゃん怖がらせたやつね」

福「あんときのまっさん、まじですごかったよな」

佐「演技派やったなあ」

小「まあ半分演技ちゃうやろけどな。あの話からして、Aのファーストキスはその男友達ってことなん？」

この小島の発言から、会話が急にストップ。「シーン…」って聞こえてきそうなくらい静まり返っとった。

Aのファーストキスかあ。本人も覚えてへんかったりしてな。