ごめん、好きみたい。 (ページ8)

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「あ、おはよっ」
まだ朝早いのに、珍しく教室に来ていた涼くんを前にふたつ後ろにいつも通り座ると、しゅんとした顔で落ち込まれる。

「こっち来ないの？」
とんとんと隣の席を叩かれ「え？でも」と言う。

涼くんは橋本で、舞依が樋樫(ひがし)、私が誉田(ほんだ)、そして大叶くんが新濵(にいはま)だから、涼くんの横の席が大叶くんになるんだけど、大叶くん、驚くほど朝が早い。

「大叶くん来るかもしれないよ？」
「いいっていいって見せつければいいもん」

そう言って人懐っこく「はーやーく」なんて急かすからちょっと慌てて隣に座る。

「んふふ、幸せ」と微笑まれると、不意にもきゅんと胸が鳴いた。

こういうさらっとドキドキさせられる辺り、慣れてるんだろうなぁ、とか複雑な思いになりつつ「....わたしも」と返すと、まるで秘密話の様に少し間を置いて言葉が返る。

「慣れてんな～って思ったでしょ？」
「えっ」
「俺こう見えても割と鋭いからね笑、ちょっとしゅんとしてたの見逃さなかったよ」
そして、机の上に組んだ腕に顔を乗せ前をふわ～っと見る。

「俺これでも初恋だよ？信じられなかったら多分大叶に聞けば分かるし、パンケーキデート、どうしていいかわかんなくて、全部照れ隠しだったし」
「え、でも手とか」
「ああしたら自然と俺が前歩く形になるじゃん？テンパってるの見えないから、」
ほんと可愛いカッコしてくるし、まじでやばかった、と頬を真っ赤にする涼くんに愛おしさが増して、気づいたら「じゃ、じゃあさ!」と半叫して話しかけていた。

「.....じゃ、じゃあ私も割と緊張してるから.....その、手..繋いでいい？」
「.......破壊力やっべぇ、//」

もちろんいいよ？と差し出される手をそっと握ると、また流れる沈黙。

「......やばい、ごめんね、まだ慣れない...」
そう言って笑顔を向けると、私の体は涼くんの方へ倒れた。

「もーほんと可愛すぎる....//」
ぎゅっと全身を抱きしめられ、キャパオーバーを起こす。

ぱっと顔を上げると、私と同じ真っ赤な顔をして、真っ直ぐな目で見つめてくる涼くん。

「っ、....//」
視線が絡んで、恥ずかしいような照れるような気持ちでいると、ちゅっと唇にキスを落とされた。

「........Aが可愛すぎるのが悪い/」
「か、かわいくない...//」
そう言われて、ぽふ、と涼くんの胸に顔を埋めた。