ごめん、好きみたい。 (ページ20)

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「うん、まぁどっちもどっちだな」
肩にバッグを掛けたまま隣を歩くのは、涼くんじゃなくて大叶くん。

クリスマスがダメになったことを何となく察してくれた大叶くんは、「帰り本屋付き合ってよ」とさり気なく愚痴吐く場を用意してくれた。

ヘアカタログ入りのビニール袋片手にポケットに手を突っ込む姿は、やっぱり一軍男子って感じでかっこよかった。

そのまま2人でスタバに入ると、カウンターでそれぞれ注文をして。

大叶くんはダークモカチップフラペチーノ、私はマンゴーパッションティーフラペチーノを頼むと、椅子に腰かけた。

「Aも言うべきっちゃ言うべきだったけど、涼もあからさまに距離置くことないし·····まあ難しいね」
「言うべきなのも分かってたけどさ、言って引かれるの嫌で、でももう黙ってられないよね···」
「まーでもAの境遇考えたら仕方ない仕事だもんね、」
「両親に殺されかけたとか言えない···」

「え、どういうこと？」
「ちょっと、」

ふんわりと香るいつもの匂い。

目に入ったソイラテ。

ドリンク片手に、後ろから声をかける人が誰かなんて、慣れすぎてすぐ分かる。

「涼、くん···」
「え、あ、やべっ」

ほらもう！と舞依に背中を押され。

素直になりなさいと大叶くんと席を変らされ、久々に2人で向かい合う。

「涼くん、Aに隠し事されてるって傷ついてててさ、そんで相談受けてたの、まーもう隠し通せないってことでちゃんと話しなよ？」

と、一瞬で弁明すると、大叶くんと一緒にお店を後にする。

「········A、ほんと甘いの好きだね笑」
「·······涼くんこそ、チョイス大人だよね」

そうやって少し和らいだ空気の中、私は小さく息を吸った。