手のなる方へ 6

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「＿＿あぁもう！よくこんな状態で何年も放置してたな！？よくこれで誰も何も文句言わなかったね！！」


鼻息荒く、とりあえず片っ端から手当たり次第備品を棚からおろす
整頓するためにはまずは棚を真っ新にしないことには始まらない
何となく分類をしながら備品を分け、さらには備品に紛れていた不用品も分けていく
むしろ不用品の方が多いような気がして、どれだけ無法地帯なのかと何処ぞの一番隊隊長様に毒付いた


「目当てのモンがなきゃ、有り合わせでどうにかしちまったりしてたからなー。俺、あんまり此処に来た事ないぜ？」

「あー俺も！結局、どこにあるか分かんねぇし探すのも億劫だったからなー」

「倉庫の意味がまるでないじゃん！これ、このペースだと1日じゃ多分終わらないよ？」


これじゃホントに、“ただ備品を置いてるだけ”状態だ
頼まれたからにはちゃんと一目で分かるようにやってやろうじゃないの

それから数時間、備品を分類し、恐らく整理する為に買ったが一度も日の目を見なかった籠をいくつも発掘し、それらに備品をしまいながら棚へと戻す作業を黙々と続けた

昼休憩を挟み同じ作業を続けていれば段々と倉庫内も片付き、見えなかった床板が姿を見せるようになってきた


「…はーー！やっとこ半分ってトコ？」

「いや、さすがだわ。俺たちだけじゃこうはいかねぇよ」

「だが残念A。倉庫、もう一つあるんだ」

「げっ！！マジで！？」


言われてみれば、このバカでかい船の備品がこの倉庫一つだけで収まるワケがない
全員で攻めるのも一つの手だが、できる事なら一気に終わらせたい


「んー…じゃあ二手に分かれない？今のやり方の要領でやってくれれば私がいなくても出来そうだけど」

「あー確かに分かれてやった方が早く終わりそうだな。判断に困るヤツは避けとくから、Aが後で確認してくれるか？」

「いいよ！じゃあそれでいこう！早く終わらせて他の隊にも割り振ろうよ。これ以上仕事増やしてなるものか」

「ははっ！違ぇねぇ！」


こうやってマルコ兄達、隊長格の人達だけじゃなく隊の船員さん達＿＿クルーの人達とも話して笑い合うことが増えた
いつまでも“船員さん”と呼ぶ私に“クルー”と言う呼び方を教えてくれたのも彼らだ

隊長格の皆と会えない分、彼らと話す機会は格段に増えてそれが今の自分を支えてくれていると言っても過言じゃなかった

だから、“向こう”からしたら私は本当に扱いやすいヤツだったんだろうと今なら思う

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