君の隣で (ページ34)

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ymside

バイトが終わって雨の中を2人で駅まで歩く

「腹減ったな～」

いのおちゃんがおっきい声で呟いた

「そーだね...

いのおちゃんさぁ.....無理してない？」

俺は意を決して本題に触れた...

「んっ？」

「有岡先輩の事が好きなんでしょ？」

いのおちゃんは

「何言ってんの？俺も大ちゃんも男だぞ～」

って笑った。

「俺は男しか好きになれないから...」

俺の言葉にいのおちゃんの足が止まった

「俺ね...小さい頃女の人にイタズラされて...
女の人が怖くなったんだ。
今も女性恐怖症まではいかないけど、やっぱり苦手で...
自然と恋愛対象も男になってた...

だからね...いのおちゃんが有岡先輩の事好きなのも見てたら分かった」

俺の話を立ち止まって真剣に聞いてたいのおちゃんはちょっと考えた後

「そっか...バレてたか...」

ってまたあの寂しい笑顔で笑った。

「俺の為に辛い話させてゴメン...」

「いや、それは俺が勝手に話したから...

俺は男が好きでも気持ち悪いって思ったり偏見もないから...だから俺には何言っても大丈夫だから...」

いのちゃんに伝わってほしいと思うと自然と言葉に力が込もる

「ありがと...やまだは本当いいやつだな...

でも俺大丈夫だよ。

こうなる事はずっと覚悟してたから」

って力なく笑ういのおちゃん...

じゃあそんな寂しそうな顔で笑わないでよ！

って言いたかったけど言えなかった。
俺にはまだ心を開けないって事でしょ

「覚悟しててもこの状況はキツイんじゃない？
先輩も先輩だよ！朝も昼も彼女とべったりでさ。友達のバイト先にまで連れてくるかな...もっと空気読める人だと思って「大ちゃんを悪く言わないで」

今まで笑ってた顔が一瞬怖い顔になった。いのおちゃんと出会ってからそんな顔を見たのは初めてだった。

「大ちゃんは何も悪くないよ。
悪いとしたら大ちゃんを好きになった俺の方だから...
大ちゃんはただ純粋に彼女が出来て嬉しくて嬉しくてしょうがないの...
だからちょっと空気よめなくても多めに見てやってよ...なっ」

なんで...そこまで...

「分かったよ...先輩のこと悪く言ってゴメン」

俺は何か言いたい気持ちをグッとこらえて
謝ることしか出来なかった。