story21【桜庭空】 ページ22
「それで、何処へ向かいましょうか?」
紫苑さんは路地裏を背に口を開いた。
何処へ向かいましょうか、という事は何処かへ行きたいという事だと僕は認識して
「んー、取り敢えず大通りに行かない?
人が多い所に行けばもしかしたら誰かいるかも。」
と言ってみた。
その誰かというのは言うまでもない
同じ加護を持つ人間、僕達の仲間。
僕が言ったことに紫苑さんは優しく
「ナイスアイディアです、空さん。
では早速行きましょうか。」
と言い微笑んだ。
その瞬間お互いの肌に水が落ちた
…鉛色の空から雨が降ったのだ
「うわ、また雨かあ。」
「ここ最近よく降りますよね、これも魔王の影響なんでしょうけど…」
「そうだね…にしてもこの雨、ちょっと酷くなりそうだよ」
「私は通り雨だと思いますけど……あっ」
紫苑さんが空を見上げるともう雨は風邪と共に宙を舞い、さっきまで鉛色だった空が急に血を思わせる紅色になっていた。
空が紅なんて、気持ち悪い。
「…空さんの言う通りでしたね、雨が酷くなって空が酷い色をしてますよ。」
…それ、駄洒落?
と言おうとしたのも束の間、紅色の空から降る雨は強くなっていった。無論風も唸り声を上げ始めた。
幼稚園くらいの子なら飛ばされそうだ。
「紫苑さん、大通り行きはやっぱなし、あの路地裏戻ろう」
「そうですね…一旦戻りましょう、服も濡れてしまいますし。」
紫苑さんは僕より一足先に路地裏へと近づき、こちらを振り返ると手招きした
僕はそれに頷き路地裏に素早く入り、近くの角に手をつく。
風と雨は次第に強くなっていく。
本当に僕達を吹き飛ばすつもりなんじゃないかと思うくらい。
「空さん、右の路地に小さい屋根みたいな物があります、行きましょう。」
紫苑さんの指を指す路地には確かに小さい屋根があった、多分居酒屋か何かだと思う。
「うん、行こう」
紫苑さんは何も言わず僕の手を引っ張りながら屋根のある路地へ早歩きをしていた。
–––路地へ曲がろうとした時、その足が突然止まる。
あまりにも急に止まるから、僕は紫苑さんの肩に軽くぶつかってしまった。
後ろから見る紫苑さんの顔は驚きと困惑で溢れていた。
「…どうしたの?」
僕は紫苑さんの横から路地見て、目を見開いた。
銀髪の中世的な顔付きの人が壁に腰掛け眠っている
彼の周りには、結晶–––
その結晶が何を意味するか、考える間も無く近くから足跡が聞こえた。
その音は次第に大きくなる。
僕達は動けなかった。
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零(プロフ) - 更新終了致しました (2018年3月30日 7時) (レス) id: 481c4bde27 (このIDを非表示/違反報告)
零(プロフ) - 更新をさせて頂きます (2018年3月30日 6時) (レス) id: 481c4bde27 (このIDを非表示/違反報告)
赤城丸(プロフ) - プルポリーさん» いえ、多分大丈夫です。お疲れ様でした。 (2018年3月19日 14時) (レス) id: 06c4c5d35d (このIDを非表示/違反報告)
プルポリー(プロフ) - 本当にごめんなさい、、、もし、1ヶ月で占ツクを辞めることが出来ずに迷ってたら、もしかしたら、戻るかも知れませんがその時はよろしくお願いします、、一緒に合作した事は楽しませてもらいました!ありがとうございます (2018年3月19日 11時) (レス) id: c6282bb7de (このIDを非表示/違反報告)
プルポリー(プロフ) - 赤城丸さんその他参加者さん、参加したのですが、これから先新学期となり占ツクを辞めたいと思ってます、、、本当に自分勝手で許される行為じゃないのだと思っています本当にすみません、、勝手にキャラクターは動かすのを皆さんにお願いしたいです (2018年3月19日 11時) (レス) id: c6282bb7de (このIDを非表示/違反報告)
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