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story10【桜庭空】 ページ11

近くに誰かいる
…かもしれない。

僕はテレビでよく見た都会だった場所を歩いていた。
どの位走ったんだろう、お兄ちゃん大丈夫かな?

…ううん、きっと大丈夫。
大好きなお兄ちゃんなんだから。

それにしても…

なんとなく
本当になんとなく、誰かいる気がする

でもそれが思い違いか加護の力なのか分からない
まだ力を制御出来ていない証拠だと思うけど。


…やっぱりお兄ちゃんを連れてくるべきだったかも
お兄ちゃんがいたらきっと–––––

そこまで考えてふと空を見た
自分の名前にもなっている、空。

空から視線を落とした。
目に映るのは小さな路地裏の様な道。


––––––誰かが呼んでる様な感覚がした


路地裏にゆっくり歩いて近付くと、靴が地面を踏む音が遠くから聞こえる。
やっぱり誰かいる、“その誰か”がきっと僕と同じ加護を貰った人だ。

少しづつ近付こうと路地裏に入って行く。
…勇気を出して話しかけてみよう

一歩、一歩と路地裏に入って僕は少し大きめに声を出した。

「…誰か、いるの?」

返事はない。
風が流れる音しかしなかった

「ねえ、誰かいるの?」

さっきよりもはっきりと言った、でも返事はなかった。

…やっぱり思い違いだったのかな



–––そう思った瞬間、さっきまで小さく聞こえた足音が遠くに行く感覚がした。




聞こえなかったんだ。
どうしよう、このままじゃ何処かに行っちゃう!


「ま、待って!行かないでってば!!」

僕は路地裏に走り込んだ。

瓦礫とか壊れたソファーに何度も足を取られたけど気にせず走った


あの足音が消えるというのは、僕の終わりと同じだ。

やっと一瞬だけその人の背中が見えるまで追いついて、僕は叫んだ。

「待ってってば!!!」

自分史上最高の速さで走って、その背中に抱きついた。

抱きついてから物凄く恥ずかしいことに気付いたけど、あの足音が消えるよりはまだマシ…

…なはず。

僕に抱きつかれた人は、吃驚したような表情をしてこっちを向いた。

僕は恥ずかしさを抑える為に、ちょっと得意げな顔をして言ってやった。


「…みつけた」

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(プロフ) - 更新終了致しました (2018年3月30日 7時) (レス) id: 481c4bde27 (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - 更新をさせて頂きます (2018年3月30日 6時) (レス) id: 481c4bde27 (このIDを非表示/違反報告)
赤城丸(プロフ) - プルポリーさん» いえ、多分大丈夫です。お疲れ様でした。 (2018年3月19日 14時) (レス) id: 06c4c5d35d (このIDを非表示/違反報告)
プルポリー(プロフ) - 本当にごめんなさい、、、もし、1ヶ月で占ツクを辞めることが出来ずに迷ってたら、もしかしたら、戻るかも知れませんがその時はよろしくお願いします、、一緒に合作した事は楽しませてもらいました!ありがとうございます (2018年3月19日 11時) (レス) id: c6282bb7de (このIDを非表示/違反報告)
プルポリー(プロフ) - 赤城丸さんその他参加者さん、参加したのですが、これから先新学期となり占ツクを辞めたいと思ってます、、、本当に自分勝手で許される行為じゃないのだと思っています本当にすみません、、勝手にキャラクターは動かすのを皆さんにお願いしたいです (2018年3月19日 11時) (レス) id: c6282bb7de (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:企画の参加者様達 x他8人 | 作者ホームページ:なっしんぐ  
作成日時:2018年3月4日 14時

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