6話 ザワつく心 ページ7
ハクside
ス「ヨナ、ではまた明日」
ヨ「……うん」
『ねぇ、ハク。姫様が落ち込んでいらっしゃるんだけど……』
ハ「俺が婚約者だと見栄はって、スウォン様に軽くあしらわれたからじゃないか?」
『なるほど、納得』
ハ「てかお前ちょっと離れろ」
『どっかの誰かの所為でびしょ濡れだから、女官に姿を見られたくないんです〜!』
此奴、嫌味か?
俺の背後でコソコソと歩くエース
女にしては高い身長、だが俺の身体にすっかり隠れる程の姿
朱色の髪が更に跳ね、首元でクルクルと渦巻いている
夕陽を浴びて、琥珀色に輝く瞳
赤い衣は水で濡れ、日の光で輝いている
夕陽に溶けて、消えてしまいそうなその姿
スウォン様をポーッと見つめる此奴に何故かムカッとして水をかけてやった
でもそれで逆に心が落ち着かない
『ハク、どうした?』
心配そうな顔で俺の見上げる此奴
” 高華の獅子 ”
この姿から想像もできないその勇ましい呼び名
『ちょっ、ハク!?』
こんな細腕で何人潰してきたんだよ
此奴に武器なんて持って欲しくなかった
ずっと幸せに笑っていて欲しかった
所帯を持って、幸せに……
『何…?離して…』
なのに
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エースが欲しい
エースの隣は俺でありたい
こんな誰かに恨まれても可笑しくない俺の隣にいてほしい
『何!待って!!』
顔に手を添えた
ああ、なんでこんなに心がざわつくんだよ
クッソ、認めざるを得ないよな
此奴の事が………
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『止めてハク!!お願い!!!』
エースの大声でハッとした
真っ赤になって怯えた顔
『お願い……離して…』
弱々しい力で俺を押し返す
涙目になって、震えてる
ハ「……悪い」
エースと距離を取った
唯一背中を預ける事が出来る奴
なのに、今は酷く小さく見えた
『ハ、ハク。なん、なのさ』
か細い声
ああ、俺はなんつう事を
羽織を脱ぐとエースの頭に被せた
ビクッとしつつも、羽織を握った
ハ「……悪い。その……」
落ち着け、俺
どうする
どうすればいい
「あら、ハク将軍とエース様丁度良い所に」
すると、何やら桐の箱を持った女官がやってきた
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コロコロオムレツ - お久しぶりです。更新再開していこうとおもいます! (2020年2月26日 18時) (レス) id: cf7760df5c (このIDを非表示/違反報告)
蘇芳(プロフ) - 夢主ちゃんとハクとの絡みが好きです!更新お待ちしております。頑張ってください! (2019年12月22日 0時) (レス) id: ec6c109e68 (このIDを非表示/違反報告)
コロコロオムレツ - こんなに沢山のコメント……!嬉しい限りです!ただ、受験勉強もあり、ペースは遅いと思います。けど!まだまだ続き書きますのでこれからもよろしくお願いします!!! (2019年8月8日 0時) (レス) id: 1f0616d418 (このIDを非表示/違反報告)
Rex(プロフ) - 主人公とハクとの絡みがとっても大好きです!!是非とも完結まで書いて頂きたいと思いました!!更新を楽しみに待ってます(^^) (2019年8月7日 16時) (レス) id: 8ecca9012c (このIDを非表示/違反報告)
羽琉(プロフ) - 更新待ってます!! (2019年6月21日 21時) (レス) id: d4a111688e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:コロコロオムレツ | 作成日時:2019年5月5日 16時