朱龍の血を引く少女は「高華の獅子」

23話 居ない ページ25

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髪に鱗……




『……気味が悪い！』




何で鱗が！？よりによって鱗！？




『あれと同じになっちゃうじゃないか！！』




あの細長いあれだけは……




『……医務官、吐き気止め〜』




想像しただけで吐き気が……




医務室を開けると、其処には




「私は吐き気止めではありません」







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と言う声もなく





『医務官が居ないなんて珍しい……』





何時も此処に居るはずなのに




全く、城兵といい医務官といい宴に浮かれすぎだな



誰も居ないなんて







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誰もいない？





ゾワッと背筋が凍った





誰にも……会わなかった





警備中の筈の城兵が一人もいない





吐き気が一瞬にして消えた





姫様の部屋へ走り出す





大丈夫、何ともない





きっと城兵も酔っ払って浮かれてるだけだ





後で庭園500周させればいい





『姫様……居ない！』





ノックもなしに部屋をこじ開け、怒鳴る





其処には用意されただけの寝床





寝てる所を襲撃された訳じゃ無さそうだな





寝巻きも部屋にある





宴はもう酔っ払いしか残ってない筈だ





其処に混ざってるとは思えない





『……陛下の所か！』





イル陛下の部屋に走り出す





私が走ってるのに叱りつける女官も





苦笑いする兵も居ない





『どうか無事で……陛下、姫様』




半開きの扉




扉は手で開けるより蹴破る方が早い！




自らの信条で扉を蹴破る






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そこで目に飛び込んで来たのは






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鮮烈な赤





胸から血を流し、横たわるイル陛下





イル陛下を膝に乗せ、青い顔を涙で濡らした姫様




頬の血を拭いもせず、血塗れの剣を握ったスウォン様





『……どういう事か、説明していただけますか？







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なぁ、







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スウォン様！！』





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24話 裏切り→←コロコロオムレツより※必読

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