朱龍の血を引く少女は「高華の獅子」

20話 町 ページ21

スウォンside(町にて)




ハ「スウォン様、この髪紐、エースに渡してやってください」




ス「何故ですか？選んだのも買ったのもハクじゃありませんか」




ハ「……俺から素直に物貰う奴だと思います？」




ス「思いません」




ハ「…即答されると複雑です」



ハクはハー、とため息を吐いた



全く、ハクは……







ス「ハクは、エースが本当に好きですね」




ハ「はあぁぁぁ！？」




ハクの大声に驚いて町中が注目した




ス「ちょ、ハク静かに」



ハ「っ、なんでそうなるですか…」




ハクが小声で問いかける





ス「私がエースに髪紐をプレゼントするのが嫌だったのでしょ？だからわざわざ自分で…」




ハ「べ、別に…」




ス「昔からエースばかり見てるじゃないですか」




ハ「気の所為ですね」




ス「先日馬泥棒した時、《意地悪な男はエースに嫌われますよ》と言ったら素直にエースを馬に乗せてやったじゃありませんか」




ハ「泥棒してません。借りただけです。……彼奴が駄々捏ねると面倒ですし」




ス「…じゃあ、ハク頑張って下さい」



ハ「……何を？」





ス「縁談」



ハ「は！？」




ス「風の部族長宛に縁談が幾つかありましてね。特に空の部族の貴族の娘がオススメですよ。高華国随一の美女らしいです」






ハ「！？高華国一の美人はエースに決まってます！スウォン様も知ってるでしょ！」





ハクがやや怒り気味に告げた




想い人が下に見られるのが嫌なのだろう




まぁ、確かにエースは私があった女性の中で一番の美人ですけどね(因みにヨナは高華一の可愛い娘です)




ニヤニヤしだした私を見て、自分の言葉の意味に気づき、ハクは顔を赤くした





ハ「い、今のは違います！口が滑った…嫌！決して本音ではなくないかもしれないですけど」





ス「素直になって下さい。ハクがエースと婚姻を結んでくれたら嬉しい限りです」





ハ「ス〜ウォ〜ン〜さ〜ま〜？」





ス「はいはい、髪紐は渡しときますよ。縁談はどうしますか？」





ハ「受けません。……その目はなんすか」





ス「……」





ハ「………」





ス.ハ「「…………………」」






ハ「……エースは嫌いじゃないです…。悪いですか！？」






ス「うん。良かった」





もし、ハクとエースが夫婦になったら幸せだろうなぁ




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でも2人が結婚する時、恐らく私は居ないだろう






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