15話 無礼者 ページ16
ハクside
エースよりも小柄で可愛らしい顔立
化粧した顔はほんのり赤い
ウルウルした目が俺を見上げる
……媚び売られてる気がする
頭を抱え、溜息をついた
こう言う女、嫌いないんだよ
目線を上げると、背を向けピクリとも動かないエース
俺の視線に気付いた女官は告げる
女官「ハク将軍。荒ぶる地の部族の娘とは言え、貴方より身分は下。気にすることはございません」
明らかにエースをバカにした口振り
ハ「……エース。イル陛下の所に行こう」
女官「ハク将軍。貴方はエース殿の何なのですか」
女官が俺の袖を引っ張る
女官「エース殿は孤児で荒くれ部族の娘です。貴方様の様な高貴な部族の者ではありません」
女官「エースは……ハク将軍の何なのですか『控えよ。下郎』なっ……ひっ!」
振り返ったエースを見て、驚愕した
瞳が……黒く染まっている
あの茶色の、光によっては琥珀にも見える瞳が黒く染まっている
女官の顔に恐怖が現れた
しかし構わず、エースは一歩踏み出す
『先程から聞いていれば、地の部族への愚弄。決して許せるものではない』
『荒ぶる部族。この緋龍城が平和なのは、その荒ぶる部族のお陰だと思え、愚か者』
『私は孤児だ。しかし私はイ・エース。地の部族長イ・グンテの歴とした娘だ!』
『私の産みの母上はとても美しい人だ。私を庇って土砂に呑まれ、命を落とした心優しき母上だ。母上を下に見るな』
『……裁きの悪夢を見よ、無礼者』
エースの目が闇の様な黒みに変わる
声が既にエースの物じゃない
体から出る気が違う
女官の顔が恐怖に染まる
ハ「……待て!!エース!!!」
エースの肩を掴み、揺さぶる
その瞳に射抜かれ、幻を見た
.
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イル陛下が死んで、高華国が滅んだ
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姫様とスウォン様が死んだ
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ジジイが死んで、風の部族が滅んだ
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エースが……死んだ
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悶え苦しみそうな悪夢だ
この瞳の所為か
ハ「っ……おい!…エース…しっかり」
心臓が潰されそうだ
幻が頭の中に居座って消えない
むしろ、エスカレートする
恐ろしさで吐きそうだ
自然と目から涙が溢れる
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だが、
ハ「負けて……たまるか!」
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コロコロオムレツ - お久しぶりです。更新再開していこうとおもいます! (2020年2月26日 18時) (レス) id: cf7760df5c (このIDを非表示/違反報告)
蘇芳(プロフ) - 夢主ちゃんとハクとの絡みが好きです!更新お待ちしております。頑張ってください! (2019年12月22日 0時) (レス) id: ec6c109e68 (このIDを非表示/違反報告)
コロコロオムレツ - こんなに沢山のコメント……!嬉しい限りです!ただ、受験勉強もあり、ペースは遅いと思います。けど!まだまだ続き書きますのでこれからもよろしくお願いします!!! (2019年8月8日 0時) (レス) id: 1f0616d418 (このIDを非表示/違反報告)
Rex(プロフ) - 主人公とハクとの絡みがとっても大好きです!!是非とも完結まで書いて頂きたいと思いました!!更新を楽しみに待ってます(^^) (2019年8月7日 16時) (レス) id: 8ecca9012c (このIDを非表示/違反報告)
羽琉(プロフ) - 更新待ってます!! (2019年6月21日 21時) (レス) id: d4a111688e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:コロコロオムレツ | 作成日時:2019年5月5日 16時