1話 高華王国 ページ2
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「あー、もう!髪が纏まらないー!!」
「エース!もうすぐ式典が始まると言うのに髪が纏まらないの!」
ここは高華王国
この国は王の他、世継ぎの皇太子も、世継ぎを産む皇后もいない
ただ、齢15の皇女が1人、大切に育てられていた
『式典なら先程終わりましたが……ですよね、イル陛下』
私の背後から現れたイル陛下は穏やかに笑った
「ああ、もう終わったよ」
「嘘!ゴメンなさい、私……」
「構わないよ。どうせ形式的な物だしね」
イル陛下のお言葉に対して姫様は不満顔
「……ねぇ、父上。私の髪変じゃない?」
姫様はご自分の御髪が嫌いだ
赤毛の癖毛
私の朱髪よりは艶があると思うんだけど……
「変じゃないとも。ヨナの美しさはどんな宝石もかなわないさ」
確かに姫様は可愛らし…
「顔はね。私もそこそこ可愛く生まれたと思うわ」
……やだ図々しい
「この髪!どうしてこう赤毛で癖っ毛なのかしら。ちっとも纏まらないー!!」
あんたはそれでも15歳ですか。
赤子に見えますよ
「そんな事ないだろう。なぁ、ハク」
「ええ、イル陛下」
振り返れば、黒髪の凛々しい青年
風の部族長、ソン・ハク
ハクとフッと目があった
あ、しまった
姫様の横からハクの横で跪き、頭を垂れた
ハクは私が陛下に跪いたのを確認すると口を開いた
ハ「姫様の御髪が変などと誰が申しましょう。
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あえて申し上げるなら、頭(のーみそ)が変ですね」
ヨ「お黙り、下僕」
姫様がハクに食器類をぶん投げる
ああ、あの盃高いのに
財務長官が頭を抱える様子が目に浮かぶ
これは止めなくては
すぐさま立ち上がり姫様の肩に手を置いた
ヨ「エース!ハクを成敗してちょうだい!」
『喜んで!…と言いたい所ですが、城を破壊しかねないので辞めておきます』
「お、負け犬の遠吠えか?」
『だぁまらっしゃい!』
ハクを怒鳴りつけると姫様を見た
『姫様、この馬鹿の言うことに耳を貸してはなりません。耳が腐ります。』
「馬鹿とはなんだ。失礼だぞ」
『姫様の頭は変ではありません』
「エース……」
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『姫様は……
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世間知らずの困ったちゃんなだけですよ』
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コロコロオムレツ - お久しぶりです。更新再開していこうとおもいます! (2020年2月26日 18時) (レス) id: cf7760df5c (このIDを非表示/違反報告)
蘇芳(プロフ) - 夢主ちゃんとハクとの絡みが好きです!更新お待ちしております。頑張ってください! (2019年12月22日 0時) (レス) id: ec6c109e68 (このIDを非表示/違反報告)
コロコロオムレツ - こんなに沢山のコメント……!嬉しい限りです!ただ、受験勉強もあり、ペースは遅いと思います。けど!まだまだ続き書きますのでこれからもよろしくお願いします!!! (2019年8月8日 0時) (レス) id: 1f0616d418 (このIDを非表示/違反報告)
Rex(プロフ) - 主人公とハクとの絡みがとっても大好きです!!是非とも完結まで書いて頂きたいと思いました!!更新を楽しみに待ってます(^^) (2019年8月7日 16時) (レス) id: 8ecca9012c (このIDを非表示/違反報告)
羽琉(プロフ) - 更新待ってます!! (2019年6月21日 21時) (レス) id: d4a111688e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:コロコロオムレツ | 作成日時:2019年5月5日 16時