#04 ページ4
「ほんま毎日偉いなぁ。ちゃんと勉強してるか？」
「宿題はきちんと。俺、勉強向いてないんで」
ちょけたように笑ってみせる。
コーヒーチェーンの店長である桐山さんは困ったように眉を下げた。
「熱心なのはええけど、学生の本分は勉強やからな」
「うわ、親みたいなこと言わんといてください！親方だからって！」
「おい誰がデブやねん！笑」
バイト先にいると息がしやすい。
働いてる間は家のこと忘れて無心になれるし、たまに思うことといえば今日の夕飯は何かな、なんて平和すぎること。
「もうすぐ夏休みやろ？どうするん？」
「ギッチギチにシフト組んでください！」
「お前なぁ…」
「ほいであわよくば卒業してからもここで雇ってください！」
ともには言うたけど、肝心の店長には言うてへんってどない？笑
内心心臓バクバクやねんけど、持ち前のだいっきゃんスマイルで頭を下げる。
「なぁ、それなら正社員にならへんか？何年かここで頑張ったら、いずれ現場離れてデスクワークになれると思うで」
「…！ほんまですか！？」
願ってもみないこと。
勢いよく顔を上げると、首がミシッと変な音を立てた。
「痛っ、」
「もー落ち着きのない子やなぁ」
「やって嬉しくて」
「はいはい。じゃあ卒業したらよろしくな。手続きの書類はこっちで準備始めておくから」
優しく笑った後、桐山さんは真面目な顔になった。
「ほんまにええねんな？大学とか、専門学校とか、行きたくなったらいつでも言うんやで」
「はい、大丈夫です。フリーターなる覚悟やったんで、正社員なんてほんまありがたいです」
桐山さんはまだ何か言いたそうな表情してた。
優しい人やからな。俺、恵まれてるわ。
「約束取り消されないように、今日から一層一生懸命働きます！」
俺の人生。やりたいこと。行動の動機。
それ全部、ともを幸せにしたいって願いでできてるんよ。
これが父性ってやつ？笑
今日の夕飯はカレーがええなぁ。
人参嫌いの俺のために、人参すりおろした甘口カレー。
でもとももほんまは人参得意やないよな？
ほいで、ルウがいつまで経っても甘口なのも、ともの好みよな？
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 423人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ナナセ(プロフ) - 7129さん» お返事遅くなってしまってすみません💦 コメントありがとうございます。ぜひ最後までお付き合いくださいませ◎ (2022年10月27日 17時) (
レス) id: 4f931bc539 (このIDを非表示/違反報告)
7129(プロフ) - ナナセさん！待ってました〜🙌読み始める前から胸がぎゅんぎゅん締め付けられてます…月水金、楽しみにしてます！！！ (2022年10月25日 22時) (レス) @page4 id: f02b13cfb6 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ナナセ
| 作成日時：2022年10月24日 14時
