#47 ページ7
文化祭で一番最後に飲んだいちごミルク。
あんなに色々皆考えて販売してたのに、いつでも飲めるその味が妙に心に残ってる。
今まで何も気にせんとストローごと飲み物交換しててんけどなぁ。
「神ちゃん、手ぇ止まってるで」
「あ、はーい、すんません」
のんちゃんの言葉に慌てて手を動かす。
椅子に貼り付けた段ボールを剥がして、ゴミ出ししやすく小さいサイズに。
ガムテと段ボールを分ける作業もなかなか面倒。
やけど、まだ文化祭の余韻というか、浮足だった感じは残っていて。
和気藹々と喋りながら片付ける空間は、準備の時と似たような“青春”を強く感じる。
「終わっちゃったなぁ…あっちゅーまやった」
俺の呟きに同意したのは流星。
「ほんまに。秒やったで。…あ、Takaさん来てたけど会った？」
「え！？うそ、聞いとらん！」
何大事なことさらっと言ってんねん！
てか電話するなりして呼んでやぁ…。
「1日目の方。ちょうど神ちゃん、シフトの時間やったから。教室行ったら会えるかもって」
「いや、売り切れたから教室出てたで」
「そっか。悪いことしたな」
「ちょちょちょ、待って！タカサンって誰？」
しげがパッと手を上げた。
「ん？秘密」
「は！？」
にやりと笑った流星をちょっと睨むと、しげは俺の方を見てくる。
「共通の知り合いやねん。路上ライブしてる」
「何で神ちゃん言ってしまうん…」
「Takaさんも宣伝して言うてたやん」
まぁのんちゃんもしげも部活やから、見に来られへんやろけど…。
「へぇー…路上ライブかぁ、ええなぁ」
意外な食いつきを見せたのはのんちゃんの方。
しげはTakaさんの正体を知ったら興味を無くしたのか、無言でまた段ボールに向き合いはじめた。
でもしげ、音楽絶対好きやん。
時々CD貸してくれるし。
後夜祭の時なんて、軽音のバンドでテンション上がったしげに組まれた肩、ちょっと痛かったし。笑 (まぁ俺も同じくらい強く掴んだような気がする)
ヤキモチ妬いてたりして、とその考えは流石に思い上がりすぎやから捨てておく。
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ナナセ(プロフ) - かこさん» コメントありがとうございます◎ ぜひ次回作もお付き合いください！！ (2021年2月19日 13時) (
レス) id: 4f931bc539 (このIDを非表示/違反報告)
かこ(プロフ) - 完結おめでとうございます（ ; ; ）とっても面白かったです！次回作も楽しみにしてます(^^) (2021年2月19日 12時) (レス) id: 6e72dd3f11 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ナナセ
| 作成日時：2021年2月2日 10時
