#59 ページ19
あっという間に時は流れ。
テストの返却に一喜一憂し、テスト直しと荷造りに追われた一週間。
今日が、修学旅行一日目の朝です。
「もう午後には沖縄居るとか信じられへんわ」
しげの声は明らかに弾んでいる。
そりゃそうよな、俺もめちゃめちゃ楽しみやもん。
「てか神ちゃん、眼鏡珍しいやん」
「いや、ほんまに眠くて。飛行機寝ちゃいそうやから」
「え、寂しいやん！」
「しげも寝る気満々のくせによう言うわ」
今日は二人揃って眼鏡。
滅多に見ないお互いの姿にちょっと笑ってしまう。
「バレたか！まじで、空港着くまでは寝過ごし厳禁やから気をつけな」
「ほんまに。頼んだで、しげ」
この時期の電車、ほんま暖かくてやばい。
しげと居ると気ぃ抜けて眠さ三倍増し。
でもまずは。
「寒いしはよ行こか」
「うん笑」
駅に向かわなあかんのです。
・
「神ちゃん」
「おきてる…」
「目ぇ閉じてるって笑」
高校に行く時とは違う電車。
早朝ということもあって、余裕で座れたはいいけれど。
「おぉい」
「はい」
「置いて行っちゃうで」
「あかん、いやや」
座っちゃいけないやつだった、と思う。
「神山さぁん」
ぷす、と頬に居日を突き刺されて。
わかってる、寝たあかんってわかってんねん。
でも、昨日ろくに眠れなかった。
「…しげ」
「ん？」
「いるみねーしょん、」
「が？」
「……」
「ちょ、おい、気になるところで寝るなや！」
のんちゃんは思わせぶりなこと言ったけど。
イルミネーション、しげから誘ってくれるわけないやん。
そしたら俺から言わな、一緒に見れへんわけで。
でも、男二人でって気持ち悪いかなとか、嫌かな、とか。
色々考えたら寝れへんくて。
睡魔に侵されてぼーっとした感覚の中、ふわりと彼に頭を撫でられた気がした。
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ナナセ(プロフ) - かこさん» コメントありがとうございます◎ ぜひ次回作もお付き合いください！！ (2021年2月19日 13時) (
レス) id: 4f931bc539 (このIDを非表示/違反報告)
かこ(プロフ) - 完結おめでとうございます（ ; ; ）とっても面白かったです！次回作も楽しみにしてます(^^) (2021年2月19日 12時) (レス) id: 6e72dd3f11 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ナナセ
| 作成日時：2021年2月2日 10時
