#42 ページ2
「あれば皆の作業効率上がるやろ。自費で買うわ」
「え、まじで？」
しげが手にしたのは個包装のチョコレート菓子。
特価と書かれているのは本当らしく、お手頃ながら結構な量が入ってる。
「ケチやのに珍しいやん」
「んはは、間違いないわ。でもまぁ、たまにはな」
しょっぱいものも、と言ってポテチに手を伸ばすのを慌てて止める。
それは流石に作業の邪魔でしか無い。笑
「神ちゃん好きやからと思ったのに」
「段ボール、油でベタベタなるで」
「…それは嫌やな」
代わりにこれまた個包装のせんべいをチョイス。
二人それぞれレジに並んで、俺は経費で落ちるものを茶封筒から支払った。
「あとさ、近くにたい焼きやあんねんけど」
「えぇ、寄り道したあかんで」
「絶対神ちゃん好きなやつ！」
「…じゃあ今度連れてって」
「やった！」
何でしげが喜んでんねん。笑
「あ、神ちゃん持つん代わるで」
「ん？ええよ、持てるもん」
「良いから。ほいっ」
引ったくられたビニールがカサリと音を立てる。
そういう男前なところを急に出してくるの、ずるい。
これは火曜日でも、そうじゃなくても、しげがようやってくれること。
荷物持ってくれたりとか、車危ないでって引き寄せてくれたりとか。
…あー、そんなん女の子にしたら、モテてまうで。やめてや。
「戻ったらまた裏紙巻く作業…嫌やぁ！」
「でももうすぐ終わりやろ？でっかい二人は上の方の飾り付け頼まれてたけど…。俺らには来ぉへんか」
「神ちゃんには、な」
「そんなに背ぇ変わらんやろ！」
はいはい、とどこか適当に流されて。
「……」
「そんな不満げな顔せんでよ笑」
「……」
「神ちゃぁん、ごめんって」
許しません。笑
・
「あ、おかえり！」
今度は廊下の上部に派遣されていたでっかい二人が俺らに気づいて軽く手をあげる。
画鋲で止めるところを中心に作業は進んでいて、少しずつ終わりの目処も見えてきた。
「ただいまぁ、お土産あるで」
「ほんま！？しげやるやん」
教室に入って、しげが繰り返せばわーっと人が集まってくる。
お菓子の人気すごいな。
そっちはしげに任せて、まずは封筒を返却。
そのあと、頼まれていたお使いの荷解きを始める。
絶対皆、お菓子に気がいって頼んでたもの忘れてるやろ。笑
「神ちゃん、お菓子なくなるで！」
「え！いやや！取っておいて！俺いちご！」
ちゃっかりしてんなぁ、とのんちゃんが笑う。
そりゃ、甘いもんやから貰うに決まってるやろ？
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 449人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「ジャニーズWEST」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ナナセ(プロフ) - かこさん» コメントありがとうございます◎ ぜひ次回作もお付き合いください！！ (2021年2月19日 13時) (
レス) id: 4f931bc539 (このIDを非表示/違反報告)
かこ(プロフ) - 完結おめでとうございます（ ; ; ）とっても面白かったです！次回作も楽しみにしてます(^^) (2021年2月19日 12時) (レス) id: 6e72dd3f11 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ナナセ
| 作成日時：2021年2月2日 10時
