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 「 とても、反省しています。今まで俺に付いて来てくれたエーミールには、申し訳ないです。 」
 「 此方としても、ロボロ君の様な天才をクビにするのは嫌なんだよ。でも、活動休止をしても何のイメージアップにもならない。彼女との交際を認めない限り、ファンはロボロ君を許さない。だが、交際を認めてしまえば売上が下がるから、事務所としてはやりたくない。分かるか。これがどんな意味か。 」
 「 今までお世話になりました。育てて頂いたのに、恩を仇で返してしまい申し訳ありません。 」
 
 
 アイドルをやっていて、こんなに深く頭を下げる日が来るとは思わなかった。今日、俺はアイドルを辞める。エミさんには悪いが、俺はもうアイドルにはならない。俺はただの一般人に戻り、台湾の台北で生活を始める。正直、プランは崩れた。もう少し稼ぐ予定だったが、ここまで来てしまえば仕方ない。向こうで適当に暮らして、稼ごう。
 
 
 「 あの匂わせはお前だったのか。 」
 
 
 Aは少し伸びた髪を後ろで纏めていた。台湾に向かう為に訪れた空港で、Aは俺を見送りに来たのだ。満面の笑みで。
 
 
 「 匂わせ?何の事? 」
 「 あのアカウントはAが偽装した物か。スキャンダルが報じられた時に、全ての内容は真実やった。俺がまるで" 話した "事が全部書かれていて、逃げ場がないと思った。やけど、匂わせだけはしていない。マイカも自分の活動があるから、交際に関しては隠し通すと約束したんや。そんなマイカが、匂わせなんてする訳がない。 」
 「 彼女の事、信じ過ぎじゃない?私が取材した時は、態度悪かったけど。 」
 「 Aが俺と繋がってるって、気付いてたからやろ。 」
 
 
 事務所を辞めた。エミさんには申し訳なかったが、俺はアイドルとして生きていくのを終わりにした。そして、台湾に家を買った。明日から、彼処で暮らす。
 マイカとも別れた。マイカはスキャンダルがあってからも芸能界に残る事を決断した。その決断に俺は何も言わない。好きにしてくれと言った。


 「 エミさん目当てやったんちゃうんか。俺はAが欲しいネタは何でも掴んだやろ。ナナカだだって、引退に迄追い込んだ。エミさんと交際寸前迄持ち込めたのは、誰のお陰や。俺やろ。俺のお陰やろ。それなのにどうして、俺の事を陥れる様な事をしたん?何でなん。 」
 
 
 
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紗枝(プロフ) - ちびさん» こんばんわ。温かいコメント有難う御座います。本当に嬉しいです☺ " はくしき "とても思い入れのある作品です。そんな風に言って下さって、光栄に思います。これからも度々、覗きに来てくれると嬉しいです💐 (5月30日 3時) (レス) id: ed8861063f (このIDを非表示/違反報告)
ちび - この短編集から貴方様の事を知りました。とても文が好きで文字の使い方が好きです。とくに「はくしき」が何か胸にもやっとくるような不思議な気持ちになりましたとても好きです😢✨これからも応援してます。 (5月29日 21時) (レス) id: b1c4d4a663 (このIDを非表示/違反報告)
紗枝(プロフ) - 大神さん» こんばんわ。通知に紛れてしまい、反応が遅くなってしまいました。申し訳御座いません。お優しい言葉、言葉にならないくらい嬉しいです😊 これからも見守って下さると嬉しいです🥰🥰 (5月21日 22時) (レス) id: ed8861063f (このIDを非表示/違反報告)
大神(プロフ) - zmさんの小説を読んでから全ての作品を読ませて頂きました。どの作品も心に刺さりましたが、この短編集が特に好きです。こんなに自分好みの小説を書かれる方に初めて出会い、言葉にならないくらい好きです。これから応援しております。 (5月20日 12時) (レス) @page37 id: 48f5acd833 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:紗枝 | 作者ホームページ:http:/  
作成日時:2023年5月14日 20時

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