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「 ゾム先輩、幽霊に連れて行かれますよ?ああ言うのって、信じてない人間がターゲットになるので。チャーリーさんって知ってます?私が小学生の時に流行った海外のこっくりさんなんですけど…… 」
「 俺、バイトあるから帰るわ。 」
「 え?帰るんですか?授業は? 」
「 やっぱり帰る。急用でバイト入ったから。 」
ゾム先輩はそそくさと帰って行った。本当にマイペースな人。掴み所がない。私は冷めたラーメンを啜る。ゾム先輩が帰るなら、私も帰ろうかな。帰っても何もする事無いけれど。
「 Aちゃん、気を付けた方が良いよ? 」
「 あ、アオイ先輩。お疲れ様です。 」
「 お疲れ様。ゾム君と仲良いよね。でも、ゾム君って悪い噂あるから、気を付けてね? 」
「 悪い噂?反社の人間なんですか? 」
「 それは流石にないと思うけど、もしかしたらあるかも。ゾム君、女の子に興味無さそうな顔して、実は結構遊んでるんだよね。この間も、歯学部のカナちゃんだってゾム君に遊ばれて大学辞めちゃったもん。 」
「 女の噂はWiFiより早い…… 」
「 ん?何か言った? 」
「 いえ、何も言ってないです! 」
歯学部のカナちゃんとやらは私は知らないが、ゾム先輩って歯学部にも人脈あるんだ。やっぱり凄いな。私なんて、同じゼミの子に話し掛けるので精一杯なのに。
「 話聞いてる? 」
「 はい、聞いてます! 」
「 兎に角、気を付けてね。ああ言う男が1番、遊んでるから。じゃあ、またね。今度、ご飯でも行こう。 」
「 是非、行きましょう! 」
生物資源産業学部のアオイ先輩を見送る。アオイ先輩、ゾム先輩とどんな関係なんだろう。もしかして、私がゾム先輩と仲良いから、嫉妬して邪魔しに来たのかな?面倒臭いから相手にするのは止めておこう。
「 オオヤさん、彼処のトンネルって心霊スポットですよね? 」
オオヤさんは別に私のアパートとは何の関係もない。バイト先の上司。私の父親と同い歳で、沢山可愛がってくれる人。オオヤさんが居れば、何とかなる。
「 らしいけど、何時からそうなったんだろうね。 」
「 昔からじゃないんですか? 」
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紗枝(プロフ) - ちびさん» こんばんわ。温かいコメント有難う御座います。本当に嬉しいです☺ " はくしき "とても思い入れのある作品です。そんな風に言って下さって、光栄に思います。これからも度々、覗きに来てくれると嬉しいです💐 (5月30日 3時) (レス) id: ed8861063f (このIDを非表示/違反報告)
ちび - この短編集から貴方様の事を知りました。とても文が好きで文字の使い方が好きです。とくに「はくしき」が何か胸にもやっとくるような不思議な気持ちになりましたとても好きです😢✨これからも応援してます。 (5月29日 21時) (レス) id: b1c4d4a663 (このIDを非表示/違反報告)
紗枝(プロフ) - 大神さん» こんばんわ。通知に紛れてしまい、反応が遅くなってしまいました。申し訳御座いません。お優しい言葉、言葉にならないくらい嬉しいです😊 これからも見守って下さると嬉しいです🥰🥰 (5月21日 22時) (レス) id: ed8861063f (このIDを非表示/違反報告)
大神(プロフ) - zmさんの小説を読んでから全ての作品を読ませて頂きました。どの作品も心に刺さりましたが、この短編集が特に好きです。こんなに自分好みの小説を書かれる方に初めて出会い、言葉にならないくらい好きです。これから応援しております。 (5月20日 12時) (レス) @page37 id: 48f5acd833 (このIDを非表示/違反報告)
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