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あの子が先輩か。
「 Aちゃーん。 」
「 アイさん、お疲れ様です。フロアの清掃終わったんですか? 」
「 うん、終わったよ。それにしても、今日のお客さんの出入り激しいね。 」
「 やっぱり、休日ですもんね。混みます。 」
アイさんは首に手を当ててゴリゴリと音を鳴らした。フロアの清掃も中々疲れるんだよね。
「 そう言えば、チーノ君と仲良くなったの? 」
「 最近、シフトが被るんです。それで、話す様になりました。人懐っこい子ですよね。 」
「 そうなんだ。でも、ミステリアスじゃない?何か、自分の話はあんまりしないから。どんな子なのかなって。 」
確かにチーノ君は聞き上手なので、私が話す事が多かった。まあ、女性って話したがりだし、それもあるかも。
「 チーノ君って幾つなんだろうね。 」
「 店長によると、大学生らしいですよ。 」
「 へえ、高校生にも見えるけどね。 」
「 童顔ですもんね、チーノ君。 」
アイさんがチーノ君に興味を持つとは意外だった。アイさんは、あまり人に興味持つイメージない。それに、アイさんも後輩に怖がられる事が多いから、チーノ君はアイさんの事、どう思ってるんだろう。
「 あ、戻って来た。 」
アイさんの視線の先に、チーノ君が居た。狐の様な瞳がニコニコしている。本当に、何時も上機嫌なのよね。学ばなきゃ。
「 じゃあ、私、アルコール消毒行って来るね。 」
「 お願いします。 」
アイさんがふらふらとゲーム機に向かう。チーノ君が背後からやって来た。
「 何話してたんですか? 」
「 チーノ君の事、話してたよ。 」
「 え?俺の事? 」
「 うん、幾つなのかなって。そう言えばチーノ君、幾つなの? 」
「 俺ですか?大学生です。 」
「 私よりは下だよね、多分。 」
「 そうですね、下です。 」
「 チーノ君、童顔だから高校生に見えるねって話してたの。 」
「 そんな童顔ですかね。あんまり言われないんですけど。 」
自分の事を聞かれるの嫌な人って居るのよね。あまり、人にプライベートな事を明かしたくないって人。チーノ君もそう言う人なのか、色々聞いたけどはぐらかされちゃった。まあ、こう言うのって地雷踏むから、踏み込まないのが正解なんだけど。
「 じゃあ、お疲れ様でした。チーノ君もお疲れ様。 」
更衣室を出て、チーノ君にも挨拶をした。
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紗枝(プロフ) - ちびさん» こんばんわ。温かいコメント有難う御座います。本当に嬉しいです☺ " はくしき "とても思い入れのある作品です。そんな風に言って下さって、光栄に思います。これからも度々、覗きに来てくれると嬉しいです💐 (5月30日 3時) (レス) id: ed8861063f (このIDを非表示/違反報告)
ちび - この短編集から貴方様の事を知りました。とても文が好きで文字の使い方が好きです。とくに「はくしき」が何か胸にもやっとくるような不思議な気持ちになりましたとても好きです😢✨これからも応援してます。 (5月29日 21時) (レス) id: b1c4d4a663 (このIDを非表示/違反報告)
紗枝(プロフ) - 大神さん» こんばんわ。通知に紛れてしまい、反応が遅くなってしまいました。申し訳御座いません。お優しい言葉、言葉にならないくらい嬉しいです😊 これからも見守って下さると嬉しいです🥰🥰 (5月21日 22時) (レス) id: ed8861063f (このIDを非表示/違反報告)
大神(プロフ) - zmさんの小説を読んでから全ての作品を読ませて頂きました。どの作品も心に刺さりましたが、この短編集が特に好きです。こんなに自分好みの小説を書かれる方に初めて出会い、言葉にならないくらい好きです。これから応援しております。 (5月20日 12時) (レス) @page37 id: 48f5acd833 (このIDを非表示/違反報告)
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