悪魔な女子の青春

･ ページ7

「……あべるはぅけ」



ぴくんっ



「たるとぅだり」




『これはっ……』



入間が先程のポスターを手に取り、そこに書いてあることを読み始める



するとたちまち悪魔たち…この空間の空気が変わっていく

彼らの心臓がドクドクと音を立てるのが聞こえてきそうな勢いだ




「すとぅまぬ

あべるげ


うる



まほらば



つれざざ……」






シン……と辺りが静まり返り




そして



ワァアアアアアアアアアっ！！！




突如沸き立つ生徒たち


先程の静まりが嘘のようだ



入間はただ書いてあることを読んだだけだと思っているのだろうが



『…まさか



“禁忌呪文”を唱えるなんて……』



禁忌呪文…正確には《禁忌口頭呪文》

読み上げるだけで魔術が発動する
ハイリスクでほとんど博打みたいな呪文

しくると死ぬ。




あそこで入間がもし噛んだり読み間違えたりしていれば

その場にいた悪魔たち全員四肢が爆散することになっていただろう


『ほんと



たまらなく面白かった！』



壇上でヘコヘコと頭を下げる入間に向かって

今日一番の笑顔を向けるA


「……っ」




その様子をアスモデウスがすごい形相でみていたことには

気づかなかった

首席ＶＳ特待生→←･

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す