知り合い(仮) . (ページ35)

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ピンポーン

インターホンの音で目を覚ますとなぜか私はリビングの床の上で横になってた。

体温計に表示されてるのは39.5℃

寒気をどうにかするためにとりあえずベットに向かった。

また目が覚めたの時にはもう17時。

だいぶ体調がましになった私は、午前中の記憶を断片的に思い出してた。

すごいたくさんインターホンの音が聞こえた気がするけど、何かあったのかな。

そう思った時、私の頭の中でふと海斗くんが浮かんだ。

『もしかして…』

海斗くんが私のところに来たのはきっと朝の8時くらい。

もう9時間も前のことだし、きっと違うよね。

そう思ったけど、やっぱり気になってドアの鍵を開けた。

『重っ…』

何かドアにもたれかかってる？

全然開かないドアに何回か体当たりしたら

「……寒」

あ、誰か起きた。

『あの、ここ私の部屋なんですけど、何でこんなとこで寝てるんですか？』

まだドアが開かないから、内側から大きな声で聞いてみた。

「連絡つかないし。風邪引いてるって言うから。」

この声…私知ってる。

『え！？海斗くん、何してるんですかこんなとこで！』

私は思いっきりドアに体当たりして外に出た。

「痛っ、もーちょっと力加減できない？」

『こんな時にできませんよ！何してるんですか、風邪ひきますよ？』

「もう風邪引いてるやつに心配されたくない。」

そう言って笑う海斗くんは顔色が悪い。

『いつからここにいたんですか？』

「んー、朝タッパー返しに来て、薬とか買ってからだから…」

え、嘘。私ほんとに9時間も海斗くんを外で待たせてた？

『ちょっと手…』

触ってみると海斗くんの手は冷え切ってて、もうきっと風邪引いてる。

『すいません。私のせいで海斗くんが風邪引いちゃった。』

「Aは？もう風邪しんどくない？」

『私はもうだいぶ良くなりましたけど、海斗くんが…』

「んー俺はAが元気になってくれたならそれでいい」

『でも…』

「ほんとに大丈夫だから。はい、これ。」

海斗くんは私にコンビニの袋いっぱいに入った薬とか冷えピタとかをくれた。

『…ありがとう。でも海斗くんお仕事は？』

「今日と明日はオフだから気にしないで。元気になったみたいだし、帰るね。ちゃんと薬飲めよ？」

『…待って！夜ご飯、食べて行かない？』

考えるより先に、私の口が動いた。