知り合い(仮) . (ページ33)

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雑誌ページ33

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私、やっぱり頭ポンポンされたよね。

昨日のことなのに、まだ思い出すと手が触れた部分が熱くなる。

なんか今日は家に帰る気分になれなくて、1人で駅をぶらぶらしてる。

楽屋に行って、本番前に会ってしまって。

あの時は高揚感で何とも思わなかったけど、

私は、もうファンとして踏み入れてはいけないところまでいってる。

誰にも相談できない苦しさから逃れたい。

でも、やっぱり連絡は取り続けたいし、繋がっていたい。

私の気持ちは揺れてた。

「ねえ、もし推しに熱愛出たらどうする？」

通りかかった女子高校生が楽しそうに話すその一言が今の私にはすごく刺さった。

『ファンの子なら、熱愛なんて嫌だよね。』

私は熱愛の相手でも何でもないけど、繋がってることは事実で、

『連絡先、消さなきゃ。』

私は、震えた手で2人の連絡先を消した。

『今までの生活に戻るだけ…』

そう自分に言い聞かせて家に帰ろうとした時、雑誌が目に入った。

表紙はもちろんTravisJapanで、みんなかっこいい。

考えるより先に、私はその雑誌を手に取っていた。

・

『つい買っちゃった…』

家に着いてから、少しだけ後悔した。

もし私がこの雑誌を見て、また一般的なファンとしての生活に戻れなくなったら…

元太くんと海斗くんに連絡したくなったら…

それでも、せっかく買ったなら見てみよう。

そう思って開いて1番に目についたのは

＂ほっぺグニグニしてもいい?
　これがオレの愛情表現＂

前、私がほっぺグニグニされた時、愛情表現って言ってた。

Q3 好きなコにどうアピールする?

A3 気づいてもらいたいんじゃなくて、好きになってもらいたいから背伸びしちゃう。「なんか飲む?買ってくるよ」とか自分から動いちゃう。

あーやっぱり見なきゃよかった。

もうきっとどこかでわかってるはずの自分の気持ちを押し殺して、眠りについた。