検索窓
今日:9 hit、昨日:27 hit、合計:5,772 hit

ページ23

「え……? どういうこと……」


ヴァルサは目をまるくしてこの光景に驚く。なぜデニーが消えたのかも分からずにあたりを見回すと、音が全く聞こえない。さっきまで聞こえていたはずの民衆の話し声や男たちのどんちゃん騒ぎもなかったかのようにシーンとしている。


ヴァルサはその場で腰を下ろし、今何が起きているのかを頭の中で整理していく。


(デニーや周りの人間が消え、私はたった一人でここにいる。つまりここは異世界……あるいは死後の世界ということになる。もし死後の世界なら、私は死んでいるということになるからまずありえない。しかもどこか懐かしい感じがするから。異世界でもないだろう……じゃあここはどこなのかしら?)


彼女は懐かしくて「あたたかいきもち」のする場所をいろいろと考えるのだが、全く思い出せない。しかも周りはあのホテルの中とそっくりなので、ワープしたわけではないとも考えることができる。


「ヴァルサ……ねえヴァルサ……」


ふと透明に澄んだ声が聴こえて、ヴァルサは我に返った。あたりを見ても誰もおらず、彼女を呼ぶ声だけがこだましている。


「ヴァルサ……後ろを向いて……ヴァルサ……お願い……」


ヴァルサはその声を聴いていると、懐かしい気分に浸れた。まだ幼かったころに聞いたことのある少女の声だとはっきりわかる。


ヴァルサは言われたとおりに後ろを(かえり)みた。そこには彼女より20cmくらい背の低い少女が立っている。薄汚れたボロボロの麻布に包まれたスラム街の格好をした少女はにこりと微笑んむ。









そう……彼女は死んだはずのイシミだったのだ。
黒くて太い眉毛もつやつやとした黒髪もあの時のままである。

5章 幽霊離脱と残された証拠→←▽



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 6.6/10 (16 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
3人がお気に入り
設定タグ:オリジナル , ファンタジー , ミステリー   
作品ジャンル:ミステリー, オリジナル作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

まりもさんだぞっ(`・ω・´)まり - いえいえ、これからも更新頑張って下さいねー (2018年5月24日 17時) (レス) id: ec47b1a578 (このIDを非表示/違反報告)
心の雨と虹の空@写真は載せられない(プロフ) - まりもさんだぞっ(`・ω・´)まりさん» なるほど……。その手がありましたか! 例も書いてくださりありがとうございます! (2018年5月24日 17時) (レス) id: 437d7e5db9 (このIDを非表示/違反報告)
心の雨と虹の空@写真は載せられない(プロフ) - まりもさんだぞっ(`・ω・´)まりさん» 的確なアドバイスありがとうございます! キャラのセリフを感情的に書く……ですか……。一番苦手にしていることですが、ちょっとずつ改変していきたいと思います。更新頑張りたいと思いました! (2018年5月24日 17時) (レス) id: 437d7e5db9 (このIDを非表示/違反報告)
まりもさんだぞっ(`・ω・´)まり - 例えば、キャラのセリフの前に舌打ちを入れて見るなど...(例)「チッ、だからああだと言っておったではないか!」露骨に舌打ちを決め、怒りを表す○○。...みたいな感じですかねー (2018年5月24日 17時) (レス) id: ec47b1a578 (このIDを非表示/違反報告)
まりもさんだぞっ(`・ω・´)まり - ちょっと遅くなりましたが、読ませて頂きました!内容 10点満点! 文 9点 惜しいぃー! 私が思うには、キャラのセリフをもうちょっと、感情的に、細い表現を入れるなどしてみたらどうですかね? (2018年5月24日 17時) (レス) id: ec47b1a578 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:心の雨と虹の空 | 作者ホームページ:http:  
作成日時:2018年4月9日 17時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。