デビューの条件は10キロダイエット〜JK

ジョングクの嘘JM ページ32

JMside

仕事場の控え室。
さっきからジョングクがずっと
真剣な表情でスマホをいじっている。


後ろから肩に顎をのせて
スマホを覗き込む。
『ジョングガぁ〜さっきからなに見てんの？？
ん？？パンケーキ？？』


くるっと振り返って
『ヒョン、お願いがあります。』



真剣な表情でそんなこと言うから
僕も真剣に聞く姿勢をとる。



『僕とパンケーキを食べに行ってもらえませんか？？』


『え？？？パンケーキ？？？』
思わず大きな声が出る


『しーーーーー声が大きいです！！』


ジョングクは周りを確認して小さな声で


『実は、Aさんとパンケーキを食べに行くことになったんです。』

『お！！弟よ！よかったじゃん！デートみたいだね』
と僕が言うと
恥ずかしそうに俯く弟が可愛くて仕方ない。


『いや、でも実は、美味しいパンケーキのお店知ってるからって嘘ついて誘っちゃって。。。
本当はパンケーキなんてそもそも食べたこともないし。Aさんがダイエットのご褒美にパンケーキ食べたいって言ってるのを聞いて、思わず。。。』


『そっか！それでパンケーキを検索してたんだね。下見調査に僕を誘ったのか。
いいよ！もちろん。美味しいパンケーキのお店探そっ。そんで嘘を本当にしちゃえばいいよ！』



その日の仕事が終わって
ジョングクがあらかじめピックアップしたお店を巡ることにした。


深めの帽子とサングラス。
男二人で可愛いパンケーキの店ではかなり浮いている。
しかし目の前のジョングクは真剣そのもの。
料理評論家ばりに一口一口噛み締めながら、メモをとっている。
外装、インテリア、店員さんの対応、トイレの清潔さ。独自の採点方法でチェックしているようだ。


僕はそんな弟を眺めながら、もうかれこれ3枚目のパンケーキをつつく。



こんな一生懸命な弟を見ていると恋っていいなぁって思ってしまった。
まだ中学生の時に親元を離れ、僕たちとアイドルとして活動して仕事に生きてきた弟の初めての恋がうまくいってほしいと僕は心から願ったんだ。

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