デビューの条件は10キロダイエット〜JK

好きな人JK ページ30

『ね、ね、Aちゃんはさ。
彼氏とかいるの？』



ストレッチエリアでテヒョニヒョンが聞いている。



僕は飲んでいる水を吹き出しそうになるのをこらえて、聞き耳を立てた。



「いないですよー！
半年前にこっぴどくふられてから
ずっと仕事命で、しかも太ってるし、地味だし。
恋愛とは無縁ですよ〜」



『なんで？？？Aちゃん、僕にはすっごく可愛く見えるよ？なんでそんなに自信ないんだろ？
Aちゃん！！！自分を低く見積もりすぎだよ。
自分が思ってるよりずっとずっとずぅーーーっと素敵な女性だよ？？』



Aさんは、すごく嬉しそうにヒョンの顔を見た。
ヒョンは思ったことをこうして素直に言葉にする。本当に羨ましい性格だ。



『素直にありがとうございます。そんな風に言ってもらうの初めてで、なんて言っていいのか。
とにかく嬉しいです！！』




その顔がキラキラして、本当に綺麗で、僕はまた胸が締め付けられた。その笑顔が僕に向けられたらいいのに。



『じゃさ、じゃさ、好きな人は？？
好きな人はいるの？？』



ヒョンはAさんの顔を覗き込むように聞いた。



Aさんは顔を真っ赤にして俯いて
『いるような、いないような。。。』



『え！だれだれ？？？？
僕の知ってる人？？』




もうこれ以上は聞いていられない。




僕は咳払いをして、
『ヒョン、何しにジムに来てますか？？
はいはい、トレーニングしますよ！！』

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