８ ページ9
.
和「…… 待って…
まだ頭の中 ゴチャゴチャで… …
今一度、整理させて……」
堰を切ったように
二宮の中に駆け巡る様々な事象
追われ、逃げ惑っていた時には
どれほど奇妙に感じても
全てを脇に退けていた
しかし、今改めて相葉に問われた事で
置き去りにしてきた幾つもの疑問点と
幾つかの気付きが
振り返った道のりの至る所で
微かな信号を上げ始めた
ぐるぐると巡るこれまでの場面
各所に引っかかる沢山の刺
青い身体や関の異変
男の異常さ、大野の変化に至るまで……
全てが一気に騒ぎ立て……
二宮は 瞼を瞑り頭を振ると
ふっと吐息し呟いた
和「…… 違う、先ずは ひとつずつだ
ひとつずつ……鍵は
開けなくちゃ……」
サーチ及びイエローを名称とする部隊で
特殊機器を扱ってきた二宮は
暗号解除、ハッキング等の知識も
当然叩き込まれてきた
その経験が
突如押し寄せた頭の中の濁流を
短く区分けし静めていく
すると、まず目についたのは
今『そこ』で起きている変化だった
和「……光にあたると …… 砂に、なる……」
雅「……え？」
先ほどまでとは違う目付きで
青い湖面を見つめる二宮
足元の影と光の境では
未だ液体が、砂へと変化し続けている
和「……でも、施設内の照明下では
こんな風にはならなかった……」
雅「… …」
和「… だとしたら……あれが使えるかも」
――――
一方、櫻井達は砂漠を見渡し
あの海月に似た生物が現れる場所の
規則性を探っていた
潤「まただ……ほら、向こうからも
やっぱりアイツら丘の麓……
しかも影になっている側から、出てきてる」
翔「ああ……地中から不規則にって訳じゃなさそうだ
あれだけの個体がとなると
それぞれの丘の麓に、きっと…」
視線を合わせ頷く二人
そこに二宮が駆け寄ってきた
和「ッ… …翔さん、潤君！」
翔「ニノ… …お前…」
和「お願い、手伝って二人とも
探したい物があるんです
発射台の倉庫か車庫に、もしかしたら……」
潤「… わかった、行くよ」
共に駆け出し
二宮から説明を聞く松本
その後ろ姿を
櫻井は、遅れてやってきた相葉と見つめる
翔「… … さすがですね、相葉先生」
雅「またそういう……」
翔「助かったよ……ありがとな
さてと
……ここから やっとスタートだ」
雅「うん……行こう、翔ちゃん！」
.
そして二人もあとに続き
四人の足跡が…… 緑の砂に
一筋の道を描き始めた
.
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 394人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を含むプレイリスト 
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ほうれん草(プロフ) - 初めまして！どうしても気持ちを伝えたくて会員登録しました！現在大学生なのですが、小学校の頃から何度も読み返して楽しませていただいています…！TEMPESTは間違いなく1番好きなケータイ小説です。これからも楽しみにしています！更新ありがとうございます！ (2020年11月23日 3時) (
レス) id: f0434b5d68 (このIDを非表示/違反報告)
ペコちゃん - 毎回ハラハラしながら見させてもらってます。リーダーのその後が気になって仕方がありませんっ！更新首を長〜くして待ってます！ (2020年11月12日 20時) (レス) id: 726f26b2c6 (このIDを非表示/違反報告)
めいそん(プロフ) - TEMPESTで見させてもらった景色が何年経っても忘れられず、ふとまた覗きに来てみたら更新されていてびっくりしました！一気に読み返してしまいました。またこの世界の続きが見られると思うととても嬉しいです。更新ありがとうございます！ (2020年9月13日 20時) (レス) id: 3acd423d16 (このIDを非表示/違反報告)
ひかる(プロフ) - サハラさんの更新通知がとても嬉しいです！サハラさんが描く5人が大好きです。是非結末まで見届けたいと思います。 (2020年9月6日 14時) (レス) id: d6343d5c60 (このIDを非表示/違反報告)
みや(プロフ) - サハラさん、更新ありがとうございます。美しい風景描写にうっとりします。本当に大好きです。余韻に浸りながら次の更新をゆっくり待ってます。 (2020年9月1日 18時) (レス) id: 481bc4ee81 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：サハラ
作成日時：2018年4月13日 12時
