【爆豪勝己】仮面王女の鎖

4. 我儘 ページ6

【ベルガラール城にて】








世界サミットと呼ばれる平和に向けての会議が
ベルガラールで行われるという事で

どこか皆バタバタしている。




お茶の時間になって、
部屋にティーセットとケーキが運ばれてくる。



「本日のデザートでございます」




「…ありがとうございます

皆さん、最近は特にお忙しそうですね」




いつもならお礼で終わる私の会話に

聞きなれない言葉が続いたことに驚いたのか
少し目を丸くする使用人・ライズさん


彼は他の人たちと少しだけ違う。
今までで1番お世話になったのもあるけれど


私の…目をしっかり見て話をしてくれる、
この国では唯一の人だ。


だからこそ、聞けたのかもしれない。



「…世界会議が1週間後に迎えた現在の時点で
もう既に各国の国賓たちが入国しております。


つまり我々の仕事はもう始まっているのです。

城下町の方もきっと今頃歓迎の準備くらいは
出来上がっているでしょう



楽しんでいただけると…良いのですが」



最後の含みのある彼の物言いに
少し引っかかりを感じた。




だけどそれよりも



「…私を1度だけ

城下町に連れて行ってはくれませんか？

王女として顔を知られる前に…
どうしてもこの街を歩きたいのです」





ドアノブにもう手をかけていた彼は
何かに驚いたかように私の方を振り返った。



そして深いため息を１つ。



「…ステラ様、それはいけません。

私が陛下に殺されてしまいますよ」



それを言われると、黙ってしまう。

そう、あの男は…冷酷だ。
今までも平気で何人も側近を殺している。





「…そう____そうですよね。



すみません、無理を言って
今の言葉は忘れてくださ『ただし』」




「…今から私は城下町に行く用事があります。
荷物の量を加味しても、車の中にはあと1人は
乗れますよ」





彼がほんの少し、微笑んだように見えた。




「…ありがとうございます、ライズさん」



私は彼の後をついて行った。








………



☆ライズ・ベルモント・ルーラ
・28歳、Aに仕える使用人
・昔からのベルガート家側近の家系であり
貴族家系に属する。
・後々また詳しく分かっていきます！！



………

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