【爆豪勝己】仮面王女の鎖

37. 俺の声に？ ページ39

【HERO side】









世界サミット初日は問題なく開催され

今は夜の披露宴に備えて一度ホテルに戻った。





『Princess Stella』と刻まれたあのジャケットを
手に取った時




「…Aって叫んだ時、俺にはあの王女が

お前の方を振り向いたように見えたんだが」





轟に急にその話を振られて少し驚く。

どこまで察してやがる。いや…



もうこれ以上に察せられる事は無ェか。




「…あの女だ。

酒場で出会った女は…
『ステラ・ベルガート・ミード』だった」




「「…」」

真顔のまま何も言わない。

明らかに信じてねェなコイツら


「多分俺もお前も見間違えたんだろ」


「違ってねェわカス！信じろや！！」


「でもかっちゃん…もし本当にそうなら

Aって名前は偽名じゃ無いのかも」




考えこむクソナードは、そう返した。


もし俺がAと呼んでアイツが反応して
こちらを見てくれたなら



その名前がただの偽名じゃねェって事になるが




「…偽名じゃねェなら何なんだよ」



「それは分からないけど…」



　
そこにジーニスト達が入ってきた。



「…用意は出来たか？予定より早いが

準備が整い次第、城に向かおうと思う


我が国の首相とフォース15世の対談が
急遽早まったようだ。

エンデヴァーと他数人はもう向かっている
私も後をすぐに追いかける。

君たちは15分後担当の案内人が迎えに来るから
それまでに用意を済ませておいてくれ」



「俺らまで手厚く歓迎されてるな」


ジーニストが出て行ったあと、轟が呟く。


こっちは客で来てんじゃねェんだがな。

こんな息が詰まるとこで業務もせずフラフラ
するぐれェなら日本でモブ爆破してるほうが
まだマシだ。





「…ジーニストの所までは俺の声は
聞こえてなかったのか」



もしアンタが俺の叫びを聞いていたなら
このタイミングで言及するハズだ。



でも明らかに俺からジーニストの距離より
Aとの距離の方が遠かった。




本当にアイツは俺の声に反応したのか…？



そんなことを考えていると迎えがやって来た。




その男は


「…数日来だな、爆豪」



流暢な日本語を話す
さっきとは違うスーツの男



ライズだった。

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