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29. 飾り物 ページ31







「顔を上げろ。貴様の礼には何の価値も無い」



その言葉で顔を上げて、席に座る。



次々と食事が運ばれてくるのを眺めながら、

ただひたすらに国王の口が開くのを待った。




それは、食事を運ぶ使用人が退室した後だった。

ほんの数分のことが私には長く感じた。






「…随分と上出来に育ったな。お前なら
我が国の王女として相応しい飾りになる」




_____飾り。

自分でも分かっている事だ。
そうなるべく買い取られ、育てられてきた。


「…ありがたいお言葉です」


そうやっていつも通りの笑みを返す。




「まあ、どうでもいい。明日の話だ」


形式的に20歳になった時に行われる
王女即位の儀式。つまり私の公開日。

場所はベルガラール城とはまた別にある、儀式
のためだけのベルガラール宮殿で行う。


そこに多くの人が集まるという。


私はその壇上で儀礼を行い、その後は
各国メディアによる撮影と軽いインタビューを
受けることになっている。





「撮影が終わったらすぐに城に戻れ。
ライズの代理がすぐに車を用意するだろう


裏切られても都合が悪い」


なるほど

私がステラの秘密を暴露するとでも思ったのか
するはずが無いのに。




「…承知しました」



「あと、お前はもう20歳になる。

この国の後継者を選ばなくてはならないが、
俺には息子が居ない。


そこで、婿を迎える事にした。


他の血が入ると思えば反吐が出るが…
その顔の遺伝子は惜しい。


近いうちに何人か婿を選ぶ。いいな?」




次の王に求めるものも…結局は形?

ベルガラールでは皇族のみ配偶者を複数人
持つ事を許されている。


国王にもかつて本妻、側室が3人居たが
全員あらゆる理由で殺されてしまったらしい。



…彼の言いたい事はこうだ。


私が婿を貰って子供を何人か産み
その中の1番顔と器量の良い者を王にする、と。


それ以外の子は皆……。





自分の未来に対する絶望を今まで以上に感じる

それでも私は



「…承知しました」





それ以外の返答は許されない。

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Mona(プロフ) - アヤさん» 嬉しいお言葉ありがとうございます( ; ; )これからものろのろ更新ですが気長に待って頂けると嬉しいです!これからもよろしくお願いします(^^) (2019年12月8日 0時) (レス) id: bb0d022ee1 (このIDを非表示/違反報告)
アヤ(プロフ) - 早く!続きが読みたくて、うずうずしています。かっちゃんとステラの葛藤が待ち遠しいです。いつまでも次の話待ってます(*´ ˘ `*) (2019年12月7日 10時) (レス) id: ffe771d046 (このIDを非表示/違反報告)
Mona(プロフ) - あすまさん» ありがとうございます!これからも亀更新ですが頑張りますね( ; ; )よろしければ他の作品も覗いてやってください(^^) (2019年11月27日 22時) (レス) id: bb0d022ee1 (このIDを非表示/違反報告)
あすま(プロフ) - 最後までいっきに読んでしまいました!とっても面白いです!更新楽しみにしています!応援しています頑張ってください! (2019年11月25日 1時) (レス) id: 0aabcfb8f7 (このIDを非表示/違反報告)
Mona(プロフ) - siroさん» ありがとうございます!これから面白くしていくつもりですので最後まで見届けて頂ければ嬉しいです(^^) (2019年10月18日 22時) (レス) id: bb0d022ee1 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:mona | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/personal.php?t=academia1st  
作成日時:2019年9月27日 20時

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