23. 悪魔の国 ページ25
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「レガト人…!?
ベルガラールで働いても良いんですか!?
もしバレたら…『大丈夫さ』」
焦るデクに笑ってなだめる店主の顔は
どこか、Aの笑い方に似ていた。
「この国でベルガラント人の代わりに働くのは
大抵レガト人か…他の国の人間なんだ。
ベルガラントの貴族たちは自分の趣味の範囲で店を経営するか、この国の役人になる。
ベルガラント人だって我々が働かなければ
困るから、別に何も言わないんだよ」
なんだそれ
「…俺たちはレガト人が迫害されているって
歴史で習ってきてんだが…違うのか?
あんたの話からすれば事実上迫害も差別も
無いように見える」
半分野郎はかなり突っ込んだ所まで聞く。
店主は一瞬周囲を見渡して、ベルガラント人が
いない事を確認してから話し始めた。
「__俺みたいに、『この国』で働ける人間は
まだ良い。
ベルガラント人に失礼な事をしなければ
殺されはしないからな。
…知っているだろう?『旧レガート王国』。
今はレガト地区っていうベルガラール国領の
植民地になっている所だ。
そこにいるレガト人の中でも一部___
死んだ方がマシだと思うくらいの扱いを
受けている地域がある。
広い敷地だが周りは壁で囲まれ、外の空間への
出入りはベルガラール軍しか許されない。
そこに女も子どもも関係ない。
美人な女や顔の整った子どもは…
ベルガラント人に買い取られるんだ。
その後どうなるかは…言えたもんじゃない
ただ、もし抵抗すればその場で殺される。
ベルガラント人がレガト人を殺したとしても…
この国では罪には問われない。
自分たちが圧倒的優位に立っているからこそ
奴らはレガト人をこうやって働かせる事で
表面上迫害が無いように見せているのさ。
奴らは…悪魔だ」
僅かにその声は震えていた。
「あのお嬢さんは…きっとベルガラント人だ。
だけど珍しかったよ。初めてかもしれない。
奴らの中であんなに優しさを感じられた人は」
そのまま店主は他の客への対応で席を離れた。
「…これはトップヒーローたちに報告した方が
良さそうだな」
「…あァ」
店主の話が全て本当ならば、この国は
俺の想像を遥かに超えた深刻な状況だ。
アイツには悪ィが…
この国を何とかしてぶっ潰さねぇと。
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Mona(プロフ) - アヤさん» 嬉しいお言葉ありがとうございます( ; ; )これからものろのろ更新ですが気長に待って頂けると嬉しいです!これからもよろしくお願いします(^^) (2019年12月8日 0時) (レス) id: bb0d022ee1 (このIDを非表示/違反報告)
アヤ(プロフ) - 早く!続きが読みたくて、うずうずしています。かっちゃんとステラの葛藤が待ち遠しいです。いつまでも次の話待ってます(*´ ˘ `*) (2019年12月7日 10時) (レス) id: ffe771d046 (このIDを非表示/違反報告)
Mona(プロフ) - あすまさん» ありがとうございます!これからも亀更新ですが頑張りますね( ; ; )よろしければ他の作品も覗いてやってください(^^) (2019年11月27日 22時) (レス) id: bb0d022ee1 (このIDを非表示/違反報告)
あすま(プロフ) - 最後までいっきに読んでしまいました!とっても面白いです!更新楽しみにしています!応援しています頑張ってください! (2019年11月25日 1時) (レス) id: 0aabcfb8f7 (このIDを非表示/違反報告)
Mona(プロフ) - siroさん» ありがとうございます!これから面白くしていくつもりですので最後まで見届けて頂ければ嬉しいです(^^) (2019年10月18日 22時) (レス) id: bb0d022ee1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:mona | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/personal.php?t=academia1st
作成日時:2019年9月27日 20時