【爆豪勝己】仮面王女の鎖

11. 場違い ページ13

【酒場にて】









入った店は思った以上に繁盛していた。

外ももう暗くなっているからか、賑やかに
酒を飲む観光客だらけだ。


手慣れたようにウェイターが俺たちを
テーブル席に案内する。



「なんか…ここだけは違う国みたいだね^^;」


「ああ、少なくともこの国の雰囲気には
合ってねえな。俺は悪くねえと思うが」


「観光客しかいねェんだから当たり前だろ」




見た感じ、現地の人間は見当たらねェ。

どこもかしこも騒がしい野郎ばかりで__




______いや、1人だけ居る。


俺らから1番遠いカウンターの端に座る女。

角度的に…丁度顔が見えねェ。

だがこの雰囲気の中で本を読んでるその姿が、
あまりにも異質で目を引いた。



そして、その周りの様子にも。



男2人組が女の隣に座ったかと思えば
何やらソイツを見て2人で話し込んでいる。



「爆豪お前さっきからどこ見てんだ？」

「もしかして…あの奥の女の人？？」

「…あの女、この国の人間だろ。
何でこんな所に居んのか気になっただけだ」




しかも1人で。

誰か待ってんのか？？


服装を見た感じかなり若そうで、恐らく貴族。


考えるほど余計に場違いが際立つだけで
全く納得できる理由が見当たらねェ。





そんな事を考えている時だった。


隣にいた男2人が女に話しかけたのは。
この距離でも目的は分かる雰囲気だ。




急いで店主が止めに入るが
男2人は耳も貸さねェ様子で、女の腕を掴む。


振り払おうとする女の力が勝てるわけもねェし

…このまま見過ごすのも胸くそ悪りィ。




面倒くせェが、見つけたのも俺だ。


席を立って、ソイツらの方に歩いて行った。

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