【爆豪勝己】仮面王女の鎖

10. 窮屈 ページ12

【HERO side】






「…ンでこんな早くから来なきゃなんねーんだ

まだ1週間もあんだろうが」



昨日、俺らはこのベルガラールに到着した。

時差ボケもある中で今日は街の土地の下見だ。



飛行機から降りた瞬間から思ってたことだが
クソ綺麗だな、この街。

気持ち悪りィくらいに整えられた建物に歩道。

ベルガラールの貴族とか一瞬で見りゃァ分かる
そんな身なりをしている。


気温も低くて俺にはこの国のどこが良いのか
サッパリ分からねェ。


どこを見ても、人間も街も出来上がりすぎて
気持ち悪いとしか思えなかった。




「…今からトップヒーロー(私たち)は
とある人物と会う約束をしている。

君たちはもう今日は適当に夕食を済ませて
ホテルに戻って貰って構わない」



「もしかして…調査関係でですか？」


「あぁ、そうだ。また話をまとめて
お前達にも連絡する」



…調査関係って事は

「…この国にも内通者(俺らの味方)がいるって事か」



「…そういう事さ

また詳しくは後日だ。それでは」




残された俺ら3人。


別に一緒に飯を食う仲でも__

「俺はお前らの行きたい所で良いぞ。
爆豪、緑谷、どっか選んでくれ」



「あ？テメェ何で3人で食う前提なんだよ」


「まぁまぁかっちゃん

折角だし…たまには良いでしょ？ね？？」



なんでテメェに諭されなきゃならねーんだ




そう怒鳴れば恐らくここでは冷たい注目の的だ
今回の任務柄、目立つ事は避ける必要がある。





「チッ…飲み行くぞ」


観光客向けに丁度良さそうな酒場がある。

俺らはそこへ向かった。




…にしても、


ロクに大声も出せねェようなこの街の人間
どんだけ窮屈な生活してんだろうな。


この街の良さが全然見つからねェな。

11. 場違い→←9. 回想

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す