【五条悟】ブラックスマイル

37. 内なる怒り ページ39

【五条side】



「＿＿＿わざとでしょ」



悠仁が死んだ。

少年院に出現した受胎が変態し特級に。
それと会敵して死んだってワケ。


僕とAがいないタイミングを狙った。


悠仁をよく思わない上の人間による
僕への嫌がらせだろう。



伊「あの時点で受胎が本当に変態するとは…」


「もういい。犯人探しも面倒だ。
上の連中、全員殺してしまおうか？」



そんな事を言っていると
部屋に入ってきた硝子に止められる。


家「虎杖は好きにバラしていいよね」

「しっかり役立てろよ」

家「役立てるよ。誰に言ってん＿＿＿」


そう言いかけた時、再び扉が開いた。


「A…？」

『硝子、今…忙しそうね』



いつも通り、笑顔だった。


家「ああ。昨日の任務で虎杖が死んだ」

『…うん、さっき野薔薇から聞いた』


別に取り乱す事もなく、相変わらずだ。


『恵は無事だった？』


「あぁ、何とかね」


『そう。良かった。

…それで、他の術師の助けは呼べた？』



伊「い、いえ…。
どの術師も任務が入っていて…『そうよね』」


『私も驚いちゃった。

あんな4級レベルの任務に充てられるなんて。

準1級以上にわざと野暮用入れたのかな
応援に行けないように』


表情は変わらない。声色も穏やか。
なのに…




家「…あまり伊地知をイジメるな。

これでも私たちと上の間で苦労してるんだ」


『怒ってるように聞こえたかな、ごめんね』



ほんの少し、ゾッとした。


彼女はいつも通りの雰囲気に戻ると
悠仁の遺体に近づき、その顔を覗き込む。



本当に淡々としてる。

まぁ僕も教え子じゃなければ
これほど気が立つ事もないだろうけど。


『…悠仁、起きなきゃ。

まだやらなきゃいけない事があるでしょう？』



悠仁の頬に手を添えて、語りかけるように
呟いた。




そこにどんな感情があるのかは
僕には分からない。きっと硝子にも。



驚いたのはそのまま彼女が立ち去った数分後。



心臓が治り、悠仁が目覚めた。




虎「うわ、服無ぇじゃん！！恥ず！！！」




どうやら宿儺が関わってる。
だけど肝心の悠仁がその内容を覚えていない。



Aは気付いてたのか？

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