【五条悟】ブラックスマイル

20. 淡々と ページ22

【伏黒side】




空港に着いて、飛行機に乗ってもなお
俺と才珠さんが話す事は無かった。


正直なところ気まずい。

悪い人じゃ無いのは分かってる。

だけど五条先生よりも考えが読めねぇし
ずっと笑ってるし

この前結構酷い事言ったし。


「…あの」

『何？』

「この前は…すみませんでした

空っぽとか言ってしまって。

虎杖を殺そうとしてた人だって聞いてたから
つい頭に血が上りました」


『全然気にしてないよ、大丈夫。

それに…恵は間違った事言ってないから』


隣の座席でにこりと笑う才珠さん。



『…恵は優しいね。
いや、しっかりしてるのかな』


窓の外の空を見つめながら
彼女はポツリと呟いた。


「…いきなり何ですか」

『ちゃんと人のことを見てるんだなって』

「そうなんですかね」

『きっとそうだと思うよ


…あ、もう着いた。飛行機は早いね』



俺たちは飛行機を降りて
旅館に荷物を預けに行った後に任務に向かう。


『3日で見つかれば良いね』

「そうですね」


今回は一級呪霊の捜索と退治。

曖昧に飛び交う目撃情報の中から
探し出さなければならない。


…一級呪霊の退治なのに彼女が来るのも
それが理由だろうか。

俺、要るのか？とか思ったりしなくも無い。


『この辺はいないね』

彼女は軽く辺りを見渡しながらそう呟いた。


「分かるんですか」

『うん、この辺呪力強く無いから』


目が良いって言ってたっけ。
規格外だな、この人も五条先生も。

21. 悠長に→←19. 妬いている

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す