近くて遠い《2》 (ページ10)

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『と、言うことです』

咲良「なるほどね…。

想像以上にごたごたしてたわ」

『でもまぁ、今は……

隼人くんの事、好きかなぁ？って思ってるよ』

咲良「そ、」

『望とはもう何もない。

会っても挨拶する程度だし、連絡も取ってないし。

本当にただの幼馴染。』

咲良「そうかなー？私にはもうきっぱり諦めましたって風には見えないけど。」

『全然そんな事ないって』

咲良「自分に言い聞かせてますって感じ」

『だからそんな事ない』

咲良「ってかさ～、一回その女に会わせてよ？

友達の男取るとかどんな神経してんの？」

『いや、別に私の男ってわけでもないからね』

咲良「だって、相談乗ってたわけでしょ？

Aの気持ち知っててその男と付き合うってありえないでしょ！

私なら友達として応援するっ！なんて言わず

付き合ったって分かった時点でボコボコだね」

『ふっ、なんで私より怒ってるの』

咲良「当たり前でしょ！

そいつのせいでトラウマ背負って

お陰でこちとら純粋に友達になりたいだけなのに

2人で飲みに行くのに3年くらいかかったよ？」

そう言うと、ジョッキに入ったビールを一気に飲み干す。

咲良「その女の顔見てみたいわ！！

てか、その望くん…だっけ？

見る目ないねぇ！相手がどんだけのもんか知らないけどさ

センスない！私が言ってあげる！センスないって！」

『やだ、やめて。笑』

咲良「いーや、言ってやんないと分かんないから

会う機会があったら言ってあげる！」

全然咲良ちゃんが怒るようなことでもないのに

自分の事のように怒ってくれるのが嬉しかった。

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咲良「ほんっと、男ってバカばっかり！」

『ほんっまに思う！

何であんなアホなんやろ』

すっかり咲良ちゃんに心を開いて

勢いに乗せられ飲み続けた結果、無事に酔っ払いの出来上がり。

咲良「さっきの飲み会も見たー？

長野さんが食べ物取り分けただけでありがとぉ！って

先輩達みーんな鼻の下伸ばしてデレデレして」

『食べ物なんて自分で取った方がええんよ！

取り分けられても食べきれへん時あるし

苦手なものまで取り分けられても困るし』

咲良「そうだ！もっと言ってやれ！

私らなんかからしたら取り分けてくれる方がありがた迷惑だよ」

『ねー？』

「ねー？」

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