近くて遠い《2》 (ページ11)

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咲良「ちょっと大丈夫ー？」

『んぁ、へーきへーきっ』

咲良「部屋どこ？何階？」

『んーとねー、5階ー！』

愚痴という愚痴を吐き出してるうちにここまで酔ってしまった。

咲良ちゃんの肩を借りながらマンションを上がる。

咲良「5階ね、おっけ」

『すっごい酔ったぁ』

咲良「見て分かります。笑」

『すーんごい楽しかった、ありがとう咲良ちゃん』

咲良「こんななるまでよく溜め込んだわ」

エレベーターを降りて部屋に向かう。

咲良「ねぇ、何号室？」

『んーと、505？』

咲良「ここか……鍵はカバン？」

『ん、そう』

咲良「ちょっと、1人で立てる？」

『んー、頑張る～』

咲良ちゃんがカバンから鍵を取って、一生懸命鍵を開けようとしてくれてる。

咲良「んーっ！……えっ、なにこれ開かないんだけど！

ねぇ本当に部屋合ってる？

違う人の家だったら私ら通報されるよこれ」

『合ってるってぇ～』

咲良「ぜんっぜん開かない！」

ガチャガチャドアノブを引いてみるけど、なかなか開かない扉。

『えー？そんな事ないって！

ちょ、貸して』

咲良ちゃんに変わって鍵を回してみるがやはり回らない。

当然、扉も開かなくてガチャガチャしてみる。

『え、なんでー？

おーいっ、誰かー！開けてえ！』

咲良「ちょっ、バカ！静かに！

近所の人出てきちゃう！」

そんなやり取りをしてると内側からガチャっと音が鳴りドアが開いた。

『あ、開いたー』

咲良「えっ、」

「んっ…なんなんこんな夜中にうっさいな」

咲良「ちょいちょいA！

ジャニーズなんちゃらの人出てきたんだけどどうなってんの」

『へっ？ジャニーズなんちゃら？なにそれ』

パッと顔を見ると眠そうに目を擦りながら出てきた望の姿。

『あれ？望？なんで私の家におるん？』

小瀧「ここ俺ん家やけど」

咲良「の、望！？え、じゃあまさか…」

小瀧「はぁー、酔うてんのかお前」

咲良「幼馴染の望ってこの人？」

『あっ、こちら幼馴染みの望ですっ！

こちらは私の友達の咲良ちゃん』

小瀧「あー、ども。

ここまで運んでくれたん？大変やったやろ。

………はぁー、あと俺やっとくからええよ」

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