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(そうと決まったら散歩に行くぞー!)
ぴょーん!と秀一の腕から抜け出して、とてとて歩く。どっちに行こうかなー?と考えながら足を進めていたんだけど
「Aちゃん、どこ行くのかしら?」
「どこだろうな」
「また迷子になったり……」
「……それはよくない」
「付いていきましょう!」
「あぁ」
付いてくんなよ!デートしてろ!つーか秀一は、私が迷子になるなんて本気で思ってないでしょ!はぐれたとしても、ちゃんと帰れるから!二人の時間を楽しめ!
って内心で叫び、ダッ!と走る。後ろから明美さんの「あ!待って!Aちゃん」という声と共に、走ってくる音も聞こえて振り返れば
『み!?みゃー!?(え!?追いかけてくんなよー!?)』
叫びながら脱兎の如く逃げる。私VS秀一&明美さんの追いかけっこが始まった。
──走り回った結果。力尽きた私と明美さん。私は毎度のごとく肺活量が原因。明美さんは
「はー……はー……けほっ……」
「だ、大丈夫か?」
「は……、だ、いじょ……けほけほ……」
(大丈夫じゃなさそうだね……)
運動不足が原因だそうだ。一人けろっと平然な顔をしている秀一。ずるいわー。ずるいからイタズラしてやるぞー!ってことで、屈んで明美さんの様子を伺っている秀一の頭目掛け、足に力を入れて飛び付く。
「ん!?A?なにす『んみー!(取ったぞー!)』こら返せ」
『んみぅ(やだ)』
秀一が被っていたニット帽を奪い取り、地面に着地。私に手を伸ばしてくる秀一から速攻逃げる。走る勢いそのまま木を駆け上がった。
秀一が手を伸ばしても届かない枝の上まで登れば、咥えていたニット帽を枝の上に置く。
「まったく……イタズラ猫め……」
『みぅー(一人だけ涼しい顔なんてずるいだろー)』
見上げてくる秀一を見ながら尻尾を揺らす。「下りてこい」って言葉は『みゃう』って否定だ。そしてニット帽の口の中に体を潜り込ませたら、丸まって目を閉じる。寝た振りしながら休憩しよーって。私の行動を見ていた秀一からは、ため息が聞こえた。明美さんも近寄ってくる気配がして
「あらら……。Aちゃん寝ちゃった?」
「狸寝入りならぬ、猫寝入りだろう」
……バレてる。けど体を休めるってのは本当だから、このままでいるつもり。私のことは気にせず、今度こそデートしてこい。
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雪丗(プロフ) - こっちゃむさん» そうなんです…安室さんにまで頼ったのに…。しょぼーん…です。癒しをー!頑張ったね!ってわしゃわしゃしてくれる方募集します(笑)ありがとうございます!続編もよろしくお願いします!(*^^*) (2019年6月20日 22時) (レス) id: 6ba5bde614 (このIDを非表示/違反報告)
こっちゃむ(プロフ) - 夢主さんのふんだりけったりな感じ、いろいろと切ないですね(TT) 安室さんにまで協力要請して頑張ったのに!最終的に赤井さんに怒られるという… 誰か、癒してあげてー!と叫びたくなりました。続編も引き続き応援させて頂きますからね!よろしくお願いします!(^^) (2019年6月20日 19時) (レス) id: d587bb3c17 (このIDを非表示/違反報告)
雪丗(プロフ) - 桜ひかりさん» 応援ありがとうございます。頑張らせて頂きます! (2019年6月4日 23時) (レス) id: 6ba5bde614 (このIDを非表示/違反報告)
桜ひかり(プロフ) - 夢主切ないなぁ…更新楽しみにしてます!!ファイトです!!! (2019年6月4日 18時) (レス) id: d8f09a7a12 (このIDを非表示/違反報告)
雪丗(プロフ) - 新玲乃音元iqqvyuuさん» 毎回コメントありがとうございます。励みになっております。更新がのろまですが頑張ります。 (2019年4月24日 0時) (レス) id: 6ba5bde614 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:雪丗 | 作成日時:2019年4月5日 0時