貴方のために出来ること〜もう一つの未来へ〜 part.7【名探偵コナン】

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もう文句しか出てこないって言う。助手なんかこれっぽっちもやってないし。私が現場を見たのも最初だけ。二人があれこれしてるのをちらっと見た程度だ。


(もう……だめ……だ……)


と力尽き床に倒れようとしたところで「大丈夫ですか？」と声を掛けられた。その声はよく知る人の声で、顔を上げてみれば


「あ。女の子だっ、じゃなくて……大丈夫？具合悪い？あんなの見たら具合悪くなるよね」


と優しい言葉を掛けてくれるのは萩原さんだ。その後ろには松田さんもいる。空腹を我慢するのが精一杯で、誰が来てるのか確認してなかったよ。


でもさ。萩原さん！松田さん！お腹空いたよー！って訴えるわけにもいかないじゃん。だから


『大丈夫dぐぅぅぅ〜……』


私のお腹が正直過ぎて困る。


「…………」


「…………」


『…………』


「……踞ってた理由は今のかな？」


『……お恥ずかしながら』


「……殺人現場で腹鳴らすってのは、肝が座ってんな」


「松田！言い方があるだろ！」


『いえいえ。気にしてません。神経が図太いことは知ってますから』


「……少しは気にしろよ」


正直に返したら松田さんに呆れられたよ。悲しいね。けど今一番悲しいのは空腹過ぎるってところだ。上げてた顔を下げて、膝に顎を乗せる。


『……お腹空いた……』


ぼそりと呟いた声は二人に届いていたらしく、松田さんにはため息を付かれ、萩原さんは乾いた笑いを溢される。そこに登場したのは


「猫sじゃなくて、A姉ちゃん！何やってるの!?」


『空腹に堪え忍んでます……』


「……そんなにですか？」


『はい。死ぬ五歩手前くらいです』


「五歩って……微妙だね……」


微妙ってなんだ。こちとら暴れもせずに耐えてんだぞ。むしろありがたく思え。


なんて思っていれば、頭上ではバーボンがコントを始めたし。「はじめまして、安室透です」って、笑顔で二人に自己紹介し出したのだ。この間スコッチを入れた四人が再会したとき、公安二人が音信不通になった理由を松田さんたちに説明してた。だから二人も「ハジメマシテ」って返事してる。バーボンのコントに付き合うなんて、二人とも優しいね。棒読みだけど。


近くに立ってる探偵君が目に入り、口を噤んでじっ……と見ていれば「なに？」と首を傾げる動作をされる。それに対しておいでって手招きすれば、近付いてきた探偵君。内緒話するみたいに口許を隠せば、耳を寄せてくれる。私も顔を近付けて……


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