貴方のために出来ること〜もう一つの未来へ〜 part.7【名探偵コナン】

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──探偵君と共にあれこれ見て回る。え？バーボンはどうしたか？いつまでも止まんないから置いてきた。探偵君のことは口塞ぎなから、抱っこして連れてきたよ。私は保護者だからね。下ろしたときにジト目を向けられたけど。我は知らぬ明後日方向を見るを貫いておいた。


『剣とか刀の展示って書いてあったのに、戟なんかもある』


「だね。これじゃあ世界の武器展でいいよね」


『ほんとねー』


戟とは。中国古代で発展した長柄武器のこと。形状は長く、刺す・薙ぐ・切るなども出来、刺すだけの槍とは違う多様な攻撃手段を用いることの出来る武器だ。馬上にいる人を引きずり下ろすなんてことも出来るらしい。けど長いのと重いのとで、使い手を選ぶ武器だそうだよ。


「……猫さんはこれ振り回すこと出来る？」


『んー……僕は小回りが利く得物を選ぶ』


「答えになってないよ……」


『振り回すだけなら出来ると思うよ。でも振り回すのと、扱うのとでは意味が違うでしょ。どんなに良い武器だったとしても、扱いきれなかったらただの棒と変わらないよ』


「そっか。なるほど」


他にもいろんな展示を見て回る。鎧だけじゃなく、鎖帷子(くさりかたびら)なんかもあったよ。


「鎧着るのも大変そうだけど、鎖帷子も結構重労働だ」


『だねー。鎖だから重いだろうしー。こりゃ肩凝り酷そう』


「感想が日常的……」


『ﾆｬﾊﾊ』


とまあこんな感じで見て回っていれば、「なんで置いていくんですか……」という不貞腐れた声に二人一緒に振り向くと、口を尖らして僕は不貞腐れてますよー全開のバーボンがいた。


『聞いてるのに飽きたからです』


「Aさんが解説を頼んだんですよ!?」


『長過ぎて眠くなります』


「Aさんは自由過ぎる……」


って言いながら項垂れたバーボン。『猫に自由がないなんて拷問だろ』って、私は悪びれることもなく逆にふんぞり返っておく。そんな私たちを見上げてる探偵君は「アハハ……」と乾いた笑いを溢してた。


「そういえば……」


『ん？どした？』


「女性客が多いなー……って思って」


「確かにそうですね。歴史が好きな女性からしたら、模造品とは言え、偉人の使用していた武器系統が相当数見れる。お好きな人は見に来るでしょうね。それはわかりますが……」


「それでも多いよね。親子連れとか居るし」


『あー。多分ゲームの影響だよ』


「「ゲーム？」」


二人が首を傾げて聞き返してきたから、私の予想を説明する。


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